きりはらみやきたいせき
桐原宮北遺跡
- 副書名
- 「桐原の里」住宅地造成工事に伴う発掘調査報告書
- シリーズ名
- 長野市の埋蔵文化財
- シリーズ番号
- 130
- 編著者名
- 青木和明/平林大樹
- 編集機関
- 長野市埋蔵文化財センター
- 発行機関
- 長野市教育委員会
- 発行年月日
- 2012年03月31日
- 要約
-
調査地は浅川扇状地の扇央部に属し、南東方向に向かう緩やかな傾斜地に位置する。傾斜地の地形は、さらに微細な起伏によって谷部と尾根部に分かれ、尾根部を中心として分布している遺構・遺物を検出した。
遺構は各時代にわたるものであるが、その分布状態は疎らで重複関係も稀であり、竪穴住居の存在は少数にとどまっていることから、調査範囲に限れば、居住域としての利用は各時代を通して積極的ではなかったものと理解される。その中で、平安時代の土器が多量に投棄された幅員12mの溝状遺構や径4mの井戸状遺構など、特殊な遺構の存在が注意され、一般集落とは別の土地利用のあり方が想起される。
なお、古墳時代後期の竪穴住居から検出された馬歯については、後代の混入でないとすれば、古墳時代の馬匹の形質を知る上で貴重な資料となる。
[PDF/9.9MB]