
あさかわせんじょうちいせきぐん よしだよつやいせき 2
浅川扇状地遺跡群 吉田四ツ屋遺跡(2)
- 副書名
- サーパス北長野駅レジデンス新築工事に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書
- シリーズ名
- 長野市の埋蔵文化財
- シリーズ番号
- 160
- 編著者名
- 清水竜太
- 編集機関
- 長野市埋蔵文化財センター
- 発行機関
- 長野市教育委員会
- 発行年月日
- 2021年03月04日
- 要約
-
吉田四ツ屋遺跡は、浅川扇状地の扇央部に立地する縄文時代から平安時代にかけての集落遺跡である。
今回の調査では、弥生時代末~平安時代の竪穴住居跡12軒のほか性格不明遺構・溝跡・土坑などを検出した。縄文時代~弥生時代後期の遺構は、調査地周辺に存在するものと予想される。遺構・遺物の検出状況や地形の起伏から考えて、調査地は遺構分布域の外縁付近に位置しているとみられる。
特記事項として、弥生時代末~古墳時代初頭の手焙形土器が出土したことが挙げられる。手焙形土器は5点あり、いずれも型式的に近江系に分類される。このうち最も遺存状態が良いSB13出土のものは、施文・胎土の特徴から、近江地方からの搬入品である可能性が高い。その他の4点は2~3個体分の破片と考えられ、本遺跡では最低3個体の手焙形土器が存在したことになる。搬入された背景とそのルートはの解明は今後の課題である。
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