指定文化財詳細

ながみねしていえん きゅうかわらしていえん

長峯氏庭園(旧河原氏庭園)

指定区分
国登録記念物 
地区
松代 
所在
長野市松代町松代 
指定等年月日
令和2年3月10日

 

解説
 「長峯氏庭園(旧河原氏庭園)」は、松代町竹山町の通りに面し、その西側に位置する。竹山町は松代藩の中下級藩士が居住した武家町で、現在の長峯邸は旧藩士である河原氏の屋敷地であった。
 城下町である松代町には江戸時代の水路網が数多く残っており、竹山町を流れる水路は城下の西側山裾を南から北へ流れる神田川から取水されている。その水系によって武家屋敷の庭園群がつながっており、「長峯氏庭園(旧河原氏庭園)」は登録記念物である「旧山寺常山氏庭園」と「大木氏庭園」の中間に位置している。

 母屋の南側に庭池があり、敷地の西側に畑地が広がっている。畑地には「セギ」と呼ばれる水路が流れ、そのまま「大木氏庭園」へと続いている。庭池は東西に長い楕円形で、竹山町の道路沿いを流れる「カワ」と各武家屋敷の庭池をつなぐ「泉水路」の2本から取水している。護岸は石積みで庭池の中心には中島がある。庭園にはマツやカエデが植えられ、かつては4代藩主・真田信弘から拝領したという「御用松」が存在した。また庚申塔などの石造物も多く配置されている。山を背景とした優美な景観は松代の武家屋敷庭園を代表するものである。

 松代の城下町の特徴である「泉水路」「カワ」「セギ」の3つの水路を現在まで伝える数少ない庭園のひとつであり、周囲の庭園群とともに松代の造園文化の発展に寄与した意義深い庭園である。 

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