ふたつみやいせき
二ツ宮遺跡
- 遺跡群
- 浅川扇状地遺跡群
- 遺跡番号
- A-080
- 種別
- 集落跡
- 時代
- 弥生・古墳・奈良・平安
- 地区
- 若槻
- 所在
- 稲田 二ツ宮
- 調査年度
- 1988
1988~1990
1994
2007
- 地図
-
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- 解説
- 二ツ宮遺跡は、長野盆地北部に広がる浅川扇状地の扇端部付近に位置する、弥生時代中期から平安時代にかけての集落遺跡です。これまで4度の発掘調査が行われ、調査規模の大きい長野市稲田・徳間区画整理事業地点、準用河川新田川改修事業地点では100軒を超す住居跡が見つかりました。
注目される調査成果の一つに、弥生時代後期前半の集落を検出したことが挙げられます。見つかった住居跡は10軒で、その外縁に土坑が散在し、さらにその外側を数条の溝で区画して居住域を限定している状況が検出されました。住居跡の重複がみられないことや構造が画一的であることからきわめて短期間に形成・衰退したと考えられ、当時の集落構造を知るうえで注目されます。また出土した土器は、長野県北部の弥生土器編年における吉田式後半段階に位置づけられ、後続する後期後半の箱清水式への変化を把握するうえで重要な資料です。
なお、奈良時代の溝から鴟尾の鰭部分とみられる破片が出土し、隣接する稲添遺跡の瓦塔・軒平瓦とともに、当地に古代寺院が存在した可能性を示す資料とされてきました。しかし、元善町遺跡の整理作業に関連して2008年に市内出土仏教関連遺物の調査が行われた際、実見した大脇潔(近畿大学)・上原真人(京都大学)の両氏により鴟尾である可能性は極めて低いとの見解が示されています。