にしまえやまこふん
西前山古墳
- 遺跡番号
- F-123
- 種別
- 古墳
- 時代
- 古墳
- 地区
- 松代
- 所在
- 松代町東条(前山)
- 調査年度
- 1997
- 報告書
- 西前山古墳
- 地図
-
サイトが別ウィンドウで開きます。
「同意する」ボタンを押すと地図が表示されます。
- 解説
- 長野県長野市松代町東条字前山の、溶岩ドームの独立山塊である皆神山北麓の傾斜変換地に立地しています。長野市埋蔵文化財センターにより平成9年(1997)に新たに発見された古墳で、一部緊急発掘調査後に削られたものの多くが現状保存されました。
墳丘は大規模に改変されていましたが、長径24m・短径22.4mの楕円形で、現存高6mを測ります。多くが現状保存されたために墳丘内部の構造は不明ですが、急傾斜を利用した造成作業により主体部構築のための平坦面を造り出し、斜面下方側の墳端には大型の石材を配置して、掌大から人頭大の輝石安山岩のみを厚く積み上げたものと考えられます。菅間王塚古墳と同様の構造を持つものと推測できそうです。墳丘上には円筒・人物・家形等の埴輪が樹立し、山側の墳裾には幅2m・深さ50cmの周溝(しゅうこう)状の区画溝が掘られていました。
墳丘中心に位置する埋葬主体部は、腰石を立て上部を小口積みにする横穴式石室で、おそらく善光寺平における初現的な横穴式石室の一つと考えられます。また隣接して横穴式石室の床面状遺構も確認されています。
出土遺物には土師器(はじき)・須恵器(すえき)、鉄鏃(てつぞく)・刀子(とうす)、鉸具(かこ)・飾金具(かざりかなぐ)、耳環(じかん)・臼玉(うすだま)・管玉(くだたま)・土玉等があり、遺物の示す年代は6世紀後半から7世紀初頭ですが、築造はさらに遡るものと考えられます。周囲には屋地古墳群3基が存在します。