指定文化財詳細

もくぞうびしゃもんてんぞう

木造毘沙門天像

指定区分
市指定有形文化財 
地区
長野 
所在
長野市大字長野元善町 
年代
藤原時代 
指定等年月日
昭和42年11月1日
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解説
 善光寺仁王門をくぐり、約40mの地点から右へ小路を入ると、突き当たりに世尊院の釈迦堂がある。木造毘沙門天(びしゃもんてん)立像はこの釈迦堂にあって、本尊の銅造釈迦涅槃像のわきに安置されている。

 本像は檜(ひのき)材の一木造りで、像高79㎝の小像である。唐様(からよう)の甲冑(かっちゅう)をつけ、左腕を曲げて掌上に舎利塔(しゃりとう)をささげ、右腕は肩の上方まで高くあげて戟(げき)杖を握る。その両足は邪鬼(じゃき)を踏まえている。
 毘沙門天は北方守護の護法神であるため、武装忿怒(ふんぬ)(いきどおった相)の形をとるが、この像の面貌には激しさがない。
 また、左足に重心をかけ、右足を半歩前に出して腰を後ろに引いた姿態をとっているが、両ひざを曲げることもなく、体全体にのびのびしていて穏やかである。
 甲冑や裳(も)などの彫り口も浅く、藤原時代の優美な形態に表現されている。