指定文化財詳細

はにわえんとうかん

埴輪円筒棺

指定区分
市指定有形文化財 
地区
更北 
所在
長野市小島田町(長野市立博物館) 
年代
5~6世紀(古墳時代後期初頭) 
指定等年月日
昭和42年11月1日
地図

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解説
 長野県最古の古墳のひとつである川柳(せんりゅう)将軍塚の前方部近くに、直径約4m、高さ1m足らずの小円丘がある。埴輪円筒棺はこの中に眠っていたもので、昭和四年、将軍塚保存会がその環境整備のため植林したときに発見された。
 調査によると、埴輪円筒棺はほぼ水平に置かれており、両端は素焼きの大型土器や円筒埴輪のかけらで封じられ、棺の周りもこれらの破片で補強されていたという。副葬品は全く検出されなかった。器高82㎝、基部は短径35㎝、長径47cmの楕円形、壁の厚さは平均1.8㎝である。
 この円筒棺はふつうの埴輪円筒の作り方と違い、大形の甕(かめ)形土器を積み上げて作られており、その凸帯が口唇状となっているのが注目される。また、棺には三角の窓がほぼ対称に二個開けられている。これらの点から、この円筒棺は埴輪円筒を利用したものではなく、特製のものとみられ、ほかに出土する埴輪円筒と明らかに異なるもので楕(だ)円形を呈している。
 埴輪円筒棺はそのほとんどが主墳に対する陪塚(①ばいちょう)的性格を持つもので、畿内に多く、五~六世紀につくりだされたと考えられている。この棺もやはり川柳将軍塚に対する陪塚のものと思われる。

 注①陪塚(ばいちょう)・・・大きな古墳の被葬者に対し従者の墳墓と推定される小さな古墳 

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蹄脚硯

銅鉾及び石製模造鉾

伝川柳将軍塚古墳出土品

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