あさひまちいせき
旭町遺跡
- 遺跡群
- 長野遺跡群
- 遺跡番号
- C-004
- 種別
- 集落跡
- 時代
- 縄文・古墳
- 地区
- 長野
- 所在
- 長野旭町・長門町堅石
- 調査年度
- 1984
- 地図
-
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- 解説
- 旭町遺跡は、長門町に所在する旧県立図書館跡地に長野市立図書館が建設されるのに先立ち、昭和59年4月~5月に調査が行われました。遺跡は裾花川河岸段丘上にあり、市街化が進んだ今でも、遺跡周辺では段丘を見ることが出来ます。
昭和59年の調査では、縄文時代中期(約5,000~4,000年前)の住居跡2軒、縄文時代の埋甕、古墳時代の住居跡4軒などが発見されました。縄文時代中期の住居跡のうち1軒は床に石を敷いた敷石住居でした。埋甕は複数見つかりましたが、その中でも縄文土器を逆さに土中に埋めたひとつには、未使用の打製石斧7本が埋納されていました。石斧は珪質粘板岩から4本、千枚岩質粘板岩から3本、それぞれひとつの母岩から作られています。千枚岩質粘板岩は秩父山系の石材であり、縄文時代中期の千曲川流域で流通した石材です。出土した縄文土器も関東や東北の影響を受けており、広域の交流が行われていたことが推測されます。
遺跡から出土したもので注目されるのは、タカラガイ形土製品です。タカラガイは熱帯から亜熱帯の海に生息する貝ですが、縄文時代には祭祀具・お守りなどとして装身具に用いられていました。長野県内でもタカラガイは出土していますが、旭町遺跡のものは粘土で作られたもので、富山県・岐阜県北部(飛騨地方)・長野県北部などに分布が限られています。全国的にも希少な出土例となります。