もくぞうしょうかんのんりゅうぞう
木造聖観音立像
- 指定区分
- 重要文化財
- 地区
- 若穂
- 所在
- 長野市若穂保科
- 年代
- 藤原時代末期
- 指定等年月日
- 大正12年8月4日
- 地図
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- 解説
- 清水寺は保科の谷の奥にある寺で、征夷大将軍 坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が大同年間(806~810)に建立したものと伝えられている。以前は多くの坊舎を抱え、堂塔伽藍(がらん)を備えた盛大な寺だったというが、大正5年に全焼して、今は堂塔の跡を残すのみとなった。その後、奈良県から移されたのが現在同寺にある古仏像群である。
この聖観音菩薩像もその1つで、像高177㎝、寄木造りで檜材を用いており、彩色はほとんどはげ落ちて素地をあらわしている。
左手はひじを曲げて蓮華を持ち、右手を下げて与願印(よがんいん)とするのは聖観音菩薩像の一般的な形だが、やや腰をひねって右足をわずかに踏み出している。この動きのある姿は軽快で、平安初期に見られる重厚な表現とは異なるものである。
また、垂髻(すいけい)の形、天冠台下の地髪、卵形に近い顔、見開いた両眼、引き締まった口もとなどは見事で、両肩を覆って腕にかかる天衣(てんね)や裳のひだも整っている。
その彫り口も美しく、藤原末期の像として異色の像である。
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