もくぞうせんじゅかんのんおよびきょうじじぞうぼさつぞう
木造千手観音及脇侍地蔵菩薩像
- 指定区分
- 重要文化財
- 地区
- 若穂
- 所在
- 長野市若穂保科
- 年代
- 藤原時代中期、末期
- 指定等年月日
- 大正12年8月4日
- 地図
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- 解説
- 両像とも若穂保科の清水寺にあり、奈良県から移されたものである。
千手観音菩薩像は像高139㎝。頭・体とも一木から彫り出した古式の一木造りで、背部にわずかな内刳(ぐ)りを施し、ひざ前を横矧(は)ぎにしている。化仏(けぶつ)は植え付けだが彫眼で、瓔珞(①ようらく)・腕釧(わんせん)(腕輪)・臂釧(ひせん)も彫り出しにし、毛筋はまばら彫りとする。
ひざは厚めで翻波式(ほんぱしき)衣文(えもん)が見られるが、彫りは浅い。顔がやや長く、体部は抑揚のない筒形で、平安時代後期の作と考えられる。体部の優しさ、弧を描く両眼と微笑をたたえるかのような表情は独特で、ほかの像には見られないものである。
地蔵菩薩像は寄木造りで、彩色ははげ落ちて素地をあらわしている。
像高159㎝。平安時代末期に見られる円造りの像で、円みのある顔と両肩の曲線、また、左腕にかかる衲衣(のうえ)や正面の衣文は流れるように美しい。県内地方作の諸像には見られない、洗練された中央作の優美さをもっている。
注① 瓔珞(ようらく)……珠玉を金鎖・紐などで貫いた装身具。広い意味では荘厳の具