こまざわさいしいせき
駒沢祭祀遺跡
- 指定区分
- 市指定記念物
- 地区
- 古里
- 所在
- 長野市大字上駒沢
- 年代
- 5~7世紀
- 指定等年月日
- 昭和42年11月1日
- 地図
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- 解説
- この遺跡は昭和四十一年五月、長野県企業局による駒沢団地の造成が行われた際、ブルドーザーの爪の下からあやうく破壊されそうになって発見され、緊急調査が行われたものである。
古代における祭祀(さいし)遺跡には、峠など交通に関するものや、神南備型の山を祭祀の対象としたもの、水源祭祀にまつわる農耕に関したものなどが知られているが、駒沢の遺跡はその農耕にかかわる古代祭祀遺跡と考えられる。
駒沢地域は堆積(たいせき)した扇状地末端に近い地形上にあり、飯綱山を水源とする浅川が流れ、飯綱山を仰ぎみる湧水(ゆうすい)地点にこの遺跡がある。
検出された遺構は、古墳時代前期の祭祀遺構 4、後期の祭祀遺構(あるいは住居址) 1、炉址およびカマド址 3である。
焼土と木灰をともなった、小礫(れき)による石組みを主体とする遺跡は湧泉址と考えられ、その遺構を取りまくようにして、祭祀遺物をともなう遺構が並んでいた。
第1号址を見ると4.2m×3.0mの範囲に大型球形胴の壺(つぼ)、小型丸底・高坏(つき)・器台・椀(わん)・坩(つぼ)形土器など、およそ500点が集積している。また、そのプランの周囲には、祭祀遺物である小型手捏(こね)土器や滑石(かっせき)製模造品(勾玉(まがたま)・有孔円板=鏡・剣形などの三種の神器や臼玉(うすだま))、管玉(くだたま)・丸玉・ガラス小玉のほか、鉇(やりがんな)・鉄鏃(てつぞく)・刀子(とうす)などの鉄製品も検出された。
この第1号址は祭祀用具の収納遺構と考えられ、これらの遺物も一連の祭祀にかかわるものであることはいうまでもない。
五世紀から七世紀までの農耕祭祀遺跡として重要である。