つつじやまのあかしで
つつじ山のアカシデ
- 指定区分
- 県指定記念物
- 地区
- 豊野
- 所在
- 長野市豊野町川谷
- 年代
- 時代区分なし
- 指定等年月日
- 平成15年9月16日
- 地図
-
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- 解説
- つつじ山のアカシデは目通り周囲3.4m、樹高約10m、枝の広がりは東西15m、南北20mで地上2mで大枝3本に分かれ、傘を広げたような形状をした巨樹である。
アカシデ(Carpinus laxiflora)は、カバノキ科クマシデ属の落葉高木で、国内では北海道南部から九州(屋久島)に分布している。低山の二次林(注)に自生し、渓谷、断崖などの乾燥した急斜面、尾根筋などに多い。雌雄同株で花期は3~4月とシデ類では最も早い。和名のアカシデは、シデ属のうち開葉前の芽や若葉が赤く、秋に紅葉するのが本種だけであることによる。「シデ」は下垂する果実の様子が、しめなわなどに下げる四手に似ることから付けられたという。
アカシデの樹幹は一般に径60cmくらいまでで、切り残された巨木がまれに存在するようである。近県では新潟県柏崎市や東京都西多摩郡日の出町のシダレアカシデ(国指定天然記念物)がある。このつつじ山のアカシデは現在のところ長野県唯一の巨木であるのと同時に全国的にも稀有な大木であると言える。
このアカシデの樹齢は300年以上と推定されているが、一方で地元には上杉謙信が戦勝記念に植えたという伝承や、富士社が日影地区の氏神となった天和2年(1682)に植えたとする説もある。いずれにしても、このアカシデは古くからいくつかの伝承に支えられながら、富士社の御神木として信仰の対象とされ、民衆によって長く大切に保存されている。
(注)二次林・・原生林が伐採や災害によって破壊された後、自然に、または人為的に再生した森林。