ばぐ(くつわ)
馬具(轡)
- 遺跡群
- 地附山古墳群(7基)
- 遺跡・地点
- 上池ノ平5号墳
- 出土遺構
- 埋葬施設
- 時代・時期
- 古墳時代
- 地区
- 長野
- 所在
- 上松
- 調査年度
- 1986
- 報告書
- 地附山古墳群
- 地図
-
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- 解説
- 地附山古墳群・上池ノ平5号墳の合掌形石室内から出土した馬具です。馬の口にくわえさせる銜(はみ)と手綱に繋がる引手(ひって)から構成され、この両者が遊環を介して連結されています。また、銜が馬の口から外れないように、馬の口角にあたる部分に鹿角で作られることが多い鑣(ひょう)と呼ばれる棒状の具が取り付けられていたと考えられます。銜は二条の鉄棒を捻って製作されていて、朝鮮半島から将来された舶来品と考えられています。また、左右の引手は長さが異なりますが、これはもともとではなく、使用による破損を補修した結果です。このことからは威信財(ステイタスシンボル)としての馬具ではなく、実際に使用された馬具が副葬されたことがわかる貴重な事例となります。
千曲川流域では鳥羽山洞窟(上田市)、飯綱社古墳(長野市)、森9号墳(千曲市)などとともに五世紀代馬具事例のひとつとなり、大室196号墳(長野市)や林畔1号墳(中野市)とともに合掌形石室から出土した舶載馬具として非常に注目されます。