あげやいせき
上ヶ屋遺跡
- 遺跡番号
- D-006
- 種別
- 散布地
- 時代
- 旧石器・縄文
- 地区
- 芋井
- 所在
- 上ヶ屋(麓原)
- 調査年度
- 2018
- 参考資料
- 鉄の武器と長野の古墳
- 地図
-
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- 解説
- 上ヶ屋遺跡は、長野県の考古学研究者 森嶋 稔さんによって昭和35年(1960)5月に発見された、今からおよそ2万年前の旧石器時代の遺跡です。大座法師池の西側にある大谷地湿原をのぞむ緩やかな西向き斜面に位置しており、標高は1045メートル付近です。
昭和36年(1961)6月に実施された第1次調査では、せまい範囲のトレンチ調査でしたが708点もの多くの石器が出土しました。昭和47年(1972)にも第2次調査が行われ、その後平成6年(1994)8月には長野市誌編さん事業にともなう発掘調査が実施されています。
上ヶ屋遺跡の発掘調査では、焼けた河原石が集中する礫群(石焼きバーベキューの跡のような場所)が4箇所発見されました。それぞれの礫群を中心として、ナイフ形石器、尖頭器、掻器、彫刻器、削器、揉錐器などの石器やその破片が集中するブロック(石器作りの作業場)も見つかりました。旧石器時代の人びとは、湿原の周囲で狩猟と採集の生活をおくり、今でいうキャンプのような移動生活だったと考えられます。
上ヶ屋遺跡からは、黒曜石や珪質頁岩などさまざまな石材が見つかっていますが、それらは和田峠付近や新潟県方面など遠方からもたらされたものと考えられます。また、ナイフ形石器を細かく観察すると、石器の作り方に違いがあることがわかりました。それらは北陸・東北地方(東山・杉久保系文化)、関東・中部地方(茂呂系文化)、近畿・瀬戸内地方(国府系文化)の特徴であり、それぞれの地域の人びととも交流があったことを示しています。
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