指定文化財詳細

こんどうあみだにょらいおよびりょうきょうじりゅうぞう

金銅阿弥陀如来及両脇侍立像

指定区分
重要文化財 
地区
長野 
所在
長野市大字長野元善町 
年代
鎌倉時代後期 
指定等年月日
明治39年4月14日
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解説
 一般に前立(①まえだち)本尊と称するもので、元禄5年(1692)初めて江戸深川の回向(えこう)院で出開帳(でがいちょう)を行い、次いで京都真如堂、大坂四天王寺での開帳(三都開帳)をはじめ、数度にわたる全国回国開帳に巡国したので、開帳仏ともいう。三像とも銅造鍍金(②ときん)で数え年で7年に一度の善光寺御開帳には本堂の瑠璃壇(るりだん)わきに安置される。
 像高は中尊42.4㎝、左 脇侍(きょうじ)観音30.5㎝、右 脇侍勢至(せいし)30.2㎝。
中尊の阿弥陀如来像は衲衣(③のうえ)をつけ、左手を下げた形で、その第二・三指を伸ばし、ほかの指を折り曲げている。右手はひじを曲げ、手のひらを前に向けて五指を並べて立てている。
 両側の脇侍の観音・勢至菩薩像は六角宝冠を戴き、条帛(④じょうはく)・天衣(⑤てんね)を懸け、胸の前で左手のひらを上向きに、右手のひらを下向きにして両手を重ね、両足先をそろえて立つ。

 台座はいずれも蓮華(れんげ)座二段で、周囲に芯(しん)を刻む。光背は唐草文に雲文を配し、上半部に蓮台と如来坐像を配している。
 善光寺式阿弥陀三尊像、”善光寺如来”とも呼ばれる一光三尊阿弥陀如来像は、鎌倉時代から室町時代初期にかけて模鋳像がたくさん造られた。その多くは、特別なものを除いて中尊が45.5㎝前後、脇侍は33.3㎝前後でほとんどが銅造である。また中尊と脇侍の印相(⑥いんぞう)が等しく刀印・施無畏(せむい)印と梵篋(ぼんきょう)印であることが他の阿弥陀如来三尊像と異なる。

注①前立(まえだち)・・・本尊が秘仏(公開しない仏像)である場合、本尊の厨子の前に安置される同種の仏像
注②鍍金(ときん)・・・金メッキのこと。銅造鍍金を金銅(こんどう)という
注③衲衣(のうえ)・・・破れた衣や古い衣、世人からもらった布などをまぜて作った袈裟(けさ)の一種
注④条帛(じょうはく)・・・菩薩部などの上半身に肩から腋(わき)に斜めにかける布
注⑤天衣(てんね)・・・天人の衣の意で、軽く、細長い布。肩から垂らしたり、風になびかせたりする。
注⑥印相(いんぞう)・・・仏像の示す手指の形。印ともいう。