かつらやまおちあいじんじゃけいだいすわしゃしゃでん
葛山落合神社境内諏訪社社殿
- 指定区分
- 県宝
- 地区
- 芋井
- 所在
- 長野市大字入山
- 年代
- 室町時代後期
- 指定等年月日
- 昭和37年7月12日
- 地図
-
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- 解説
- 重要文化財・葛山(かつらやま)落合神社本殿の東にある。目立たない存在だが、伝えるところによると、明治の末年ごろ、神社合併によって移されてきたものだという。
桁行(けたゆき)118.3㎝、梁行(はりゆき)107㎝、向拝(①こうはい)91.2㎝の一間社(②いっけんしゃ)春日(かすが)造りの小型社殿で、室町時代後期に属する。
土台上に立ち、母屋は円柱で、縁(えん)長押(なげし)、内法(うちのり)長押、腰貫(こしぬき)、台輪(だいわ)(柱の上部をつなぐ厚い板)を付ける。組物は出三ッ斗(でみつど)で、垂木は二軒(ふたのき)の実肘木(さねひじき)付き繁(しげ)垂木とする。正面は格子、他の三方を板壁にして、縁はなく、木階を付ける。
向拝柱は角柱の面(④)取りで、頭貫(かしらぬき)を通し、組物は連(つれ)三ッ斗をおく。軒は一軒(ひとのき)の繁(しげ)垂木とし、繋虹梁(⑤つなぎこうりょう)で母屋柱と向拝柱をつないでいる。
妻飾りは豕扠首(いのこさす)、破風(はふ)眉付きにし、猪の目懸魚(いのめげぎょ)を付ける。
屋根はこけら葺き(板葺きの一種)で、箱棟の両端に付けた鬼板は鰭(ひれ)付きとしている。屋根下に隅木を入れているので隅木入り春日造りというべきだが、造りは簡単なものである。際立った特色があるものではないが、市内で春日造りの古建築はこの例のみである。
注① 向拝(こうはい)・・・・仏堂や社殿の前または後ろに母屋(もや)から突き出て、屋根と階段のあるところ。
注② 一間社(いっけんしゃ)・・正面の柱間(はしらま)が一つ(一間)の小規模な社殿。
注③ 春日(かすが)造り・・神社本殿形式の一つ。切妻照屋根妻入りで、正面だけ階段上に、本屋に取りつく格好で屋根(階隠(はしかくし))がある。
注④ 面取り・・・角材の稜角(りょうかく)を切りおとすこと。ふつうは切面で、そのほか大面取り(丸面、唐戸(からど)面、几帳(きちょう)面など)がある。
注⑤繋虹梁(つなぎこうりょう)・・虹梁は、上方に(虹のように)曲がった梁。繋虹梁は母屋と裳階(もこし)の柱や前後にある斗栱などを連絡する虹梁。
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