指定文化財詳細

さくまぞうざんひつしほんすいぼくさんすいず

佐久間象山筆紙本水墨山水図

指定区分
市指定有形文化財 
地区
松代 
所在
長野市松代町松代 
年代
1857年(安政4) 
指定等年月日
昭和47年3月1日

 

解説
 佐久間象山の水墨画は少ないが、これはその代表作である。
 安政四年(1857)、象山四十七歳の松代聚遠楼蟄居(ちっきょ)時代に、松代藩の豪商八田子静のすすめに応じて、縦182㎝、横98㎝の唐紙に描いたもので軸装ともに縦278.5㎝、横108㎝の大幅である。
 象山はこの図に「城中沽酔眼生花 吟歩蹣跚帽子斜 山雨初晴渓路滑 石橋残日未帰家 予屏居嘗作此図 八田子静復強予為之 象山樵史」と記し、自賛している。
 安政四年は象山の蟄居四年目に当たるが、前年下田港に入った米使ハリスが徳川幕府に交易を迫り、世情は騒然としていた。その中で象山は国防・外交策について多くの意見を発表する一方、幕府の無為無策を痛撃するなど、もっとも充実した年で、「洪範今解」「春秋辞命準縄」などを著している。