指定文化財詳細

かわしんじゅがい 

カワシンジュガイ

指定区分
市指定記念物 
地区
戸隠 
所在
長野市戸隠 
年代
? 
指定等年月日
平成17年1月1日

 

解説
 カワシンジュガイは、軟体動物門、斧足綱(二枚貝綱)、古異歯目、カワシンジュカイ科の淡水に住む二枚貝で、国内では北海道から東北地方、岐阜県、長野県を経て山口県にまで分布する。形は細長い卵型で、大きなもので殻長13cm、殻幅4cm、殻高6cm程度ある。殻の表面は黒または黒褐色であるが、内面は青白色か多少紫がかっているものが多く、強い真珠光沢があり美しい。砂底に体を立てて水中のプランクトンを捕食するとされる。幼生はイワナやヤマメなどのエラやヒレに寄生し、これらとともに移動する。昔西洋ではこの近縁種から真珠を採取したので、この名が付いたとされる。
 長野市では戸隠地区、鳥居川源流の逆さ川にカワシンジュガイ(学名 Margaritifera laevis)と最近新種と認められたコガタカワシンジュガイ(学名 Margaritifera togakushiensis)の2種類のカワシンジュガイが生息している。カワシンジュガイはヤマメのエラに寄生し、コガタカワシンジュガイはイワナのエラに寄生する。個体数も多く、稚貝も確認されている。戸隠山から供給される水の温度、水量等が生息に適し、手つかずの自然が長く維持されてきたことで、生息が保たれてきたと考えられる。
 カワシンジュガイは、近年の河川改修や水質の悪化などによりその数を減らしつづけている。各地で天然記念物に指定されているほか、環境省の『レッド・データブック』にも「絶滅危惧Ⅱ類」として掲載されている。