はにしなこふんぐん どぐちしょうぐんづかこふん
埴科古墳群 土口将軍塚古墳
- 指定区分
- 国指定記念物
- 地区
- 松代
- 所在
- 長野市松代町岩野
- 年代
- 古墳時代
- 指定等年月日
- 平成19年2月7日
- 地図
-
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- 解説
- 長野市松代町岩野と千曲市土口(どぐち)の市境にある。妻女山(さいじょざん)から西方に張り出した支脈の突端に近く、標高450mの尾根上に立地した前方後円墳である。ここは北側の平地面との標高差が95m程あり、長野盆地一円を眺望できる景勝の地でもある。
昭和57~61年にかけて、長野市と更埴市(当時)が合同で発掘調査を行った。
古墳は、山の尾根を利用し丘尾を切断して築造したもので、全長67.7mを測る二段築成の前方後円墳である。墳丘は石英閃緑岩(せきえいせんりょくがん)の角礫を用いた葺石(ふきいし)で覆われ、墳頂部・前方部頂・段築面に円筒埴輪と朝顔形埴輪が樹立されていた。
後円部中央には、墳丘主軸に並行して2基の竪穴式石室が並列して設けられていた。盗掘により、東側部分は両石室ともに破壊されていたが、南石室は長さ5.20m、幅0.65m、高さ0.85mで、北石室の長さは不明、幅0.55m、高さ0.60mである。両石室は平行せず、北石室は5度北西に石室主軸を振り、西側に1mほど突出するように構築されていた。また、両石室ともに石英閃緑岩の板状の石をほぼ垂直に小口積みしており、同一時期に構築されたものとみられる。床面は平坦で、盗掘のため棺については不明である。
副葬品には、鉄鏃(てつぞく)26、三角板革綴短甲(さんかくいたかわとじたんこう)片、ガラス製小玉26、滑石製臼玉(かっせきせいうすだま)1などがあるのみで、両石室の副葬品の内容、詳細については不明である。なお、後円部墳頂からは土師器の壺・高杯(たかつき)等の土器片が40個体ほど出土している。
墳丘出土の土器および柳葉形(やないばがた)鉄鏃や三角板革綴短甲の年代から、5世紀前半の築造時期が推定されている。また、出土した埴輪には特徴的な叩き目(たたきめ)が施されており、埴輪や須恵器の製作工人集団との関係を考える上で貴重な資料を提示している。
平成19年2月7日に、森将軍塚古墳、倉科将軍塚古墳、有明山古墳とともに、「埴科古墳群」として国史跡に指定された。
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