おくすそばなしぜんえんのきょぼくぐん
奥裾花自然園の巨木群(トチ・ブナ・ミズナラ・シナノキ・ヤチダモ・コハウチワカエデ)
- 指定区分
- 市指定記念物
- 地区
- 鬼無里
- 所在
- 長野市鬼無里日影
- 指定等年月日
- 平成20年3月27日
- 地図
-
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- 解説
- 天然記念物:トチ
トチの木は北海道から四国・九州の温帯地方に分布し、葉は大柄、大型の掌状複葉で、小さい葉は5~7枚も付く。紅色を帯びた白色の花は大きく蜜が多いので、開花時にはミツバチが群集する。また、木材は建築材・家具材として珍重され、実は昔からトチ餅などとして食されてきた。
このトチの木は、樹高が約30m、目通り周囲が約4.6mで、奥裾花自然園のモリアオガエル繁殖地として知られる吉池のほとりに立っている。地上5mの南側の下枝が傾いて長く張り出している。樹勢は良好である。樹齢は400年と推定され、池ができる前から自生していたと考えられる。
天然記念物:ブナ
ブナ(学名:Fagus crenata)はブナ科の落葉広葉樹で、九州から北海道南西部にかけての山地帯で生育する。実は堅い殻に覆われ、どんぐりと呼ばれる。
このブナの木は、ブナ原生林のなかに自生しているもので、樹高が約30m、幹の目通り周囲が約4.2m、枝の広がりは南北約18m、東西約20mとなっている。枝の伸張が良く、樹冠が笠形で整っている。樹齢は300年と推定されている。
天然記念物:ミズナラ
ミズナラ(学名:Quercus crispula)はブナ科に属し、ブナとともに冷温帯を代表する落葉高木である。秋にはドングリが実り、材は建築用や器具用に用いられる。
このミズナラは樹高約26m、目通り周囲約3.7mで、枝の広がりは南北約30m、東西約15mである。地上5mのところに2本の大枝が南北に張り出し、枝張りも見事である。樹勢は良好で、樹齢は約350年と考えられる。
天然記念物:シナノキ
シナノキ(学名:Tilia japonica)はシナノキ科の落葉高木である。日本の特産で、山地に自生する。葉は心臓形。夏、黄色の香りの強い花をつける。樹皮の繊維が強いことから、布・ロープなどの材料として用いられてきた。また、シナノキは「信濃」の語源という説もあり、昭和62年には長野市の木に制定されている。
このシナノキは樹高約28m、目通り周囲約3.2mで、枝張りは南北約8m、東西約8mとなっている。ブナ原生林内にあり、ブナと共存して自生している。樹勢は良好で、樹齢は約350年と考えられる。
天然記念物:ヤチダモ
ヤチダモ(学名:Fraxinus mandshurica)は、モクセイ科トネリコ属の落葉高木である。雌雄異株で、実には翼(よく)がある。材は家具や装飾材になどに用いられている。
このヤチダモは今池の木道の脇に自生している。樹高は約26mあり、枝の広がりは南北約8m、東西約8mである。一株から3本の太い幹が生えていて、3本とも樹勢は良好で垂直に伸びている。樹齢は約350年と推定される。
天然記念物:コハウチワカエデ
コハウチワカエデは、かえで科カエデ属の落葉高木である。
このコハウチワカエデはブナの原生林の中にあって、自然の状態に保たれている。周辺の植生は、ブナ、チシマザサ群落である。樹高は約16mあり、枝の広がりは南北約7m、東西約8mである。胸高直径1.64m。樹齢は約200年と推定される。冬季には、積雪が2.5m~3.0m程の豪雪地帯である。南東方向が急斜面になっている。
自然園内にあるトチ、ブナ、ミズナラ、シナノキ、ヤチダモ、コハウチワカエデは奥裾花自然園の巨木群として天然記念物に包括指定された。
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