指定文化財詳細

えみょうじほんどう・しょうろう・さんもん

恵明寺本堂・鐘楼・山門

指定区分
国登録有形文化財 
地区
松代 
所在
長野市松代町西条 
年代
天保4年・延宝5年 
指定等年月日
平成22年9月10日
地図

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解説
 松代町西条にある黄檗宗象山恵明寺は、松代藩3代藩主真田伊豆守幸道により延宝5年(1677)に造営された寺である。文政8年(1825)5月、本堂から出火。再建後暫くして今度は不二庵から出火。諸堂はもとより仏像・仏画・什物悉く灰燼に帰したと伝える。寺伝によると山門のみ火災から免れ、現在に至っているという。天保4年(1833)8代藩主真田幸貫により本堂・御霊屋・鐘楼・庫裏など諸堂が再建され、現在に至っている。松代町内において黄檗宗寺院は恵明寺一寺のみである。
 本堂:象山東麓の境内中央に位置する。桁行柱間4間、梁間柱間4間四方に柱間1間の裳階をつけた入母屋造桟瓦葺の建物で一重裳階付仏殿風の外観とする。室内は床板を張らず土間造りで中央に4本の角柱が立つ。正面中央奥の本尊を安置する仏壇は四方丸柱の棚を設けた簡素な造りだが、扇垂木の手を入れた屋根をかけている。
鐘楼:桁行1間、梁間1間で、一階部分を袴腰羽目板張り白漆喰壁とした二階建、瓦葺入母屋造の建物である。石積基壇上に建ち、柱は四方転びで、直接に桁や梁を支持。軒は一軒疎垂木。特異な形態になる鐘楼。
 山門:伽藍正面に位置する一間棟門。切妻造桟瓦葺。親柱上の組物は出三斗、中備は六文銭を彫り込んだ蟇股で、脚部を大きく張り出した力強い造りとなっている。木鼻は抽象化された獏鼻である。垂木・野地板・瓦等は新しい材である。当山の建設に関わる史料は現存していないが、寺伝によると山門は数度の火災に被災せず、建設当初のものとされている。中備の蟇股の造りや肘木・木鼻・梁の造りなど江戸前期の様相を窺(うかが)えることから、寺伝の通り建設当初・延宝5年(1677)のものと思われる。