ちょうめいじほんどう・きょうぞう・さんもん
長明寺本堂・経蔵・三門
- 指定区分
- 国登録有形文化財
- 地区
- 松代
- 所在
- 長野市松代町東寺尾
- 年代
- 明和4年・明治中期・寛政8年
- 指定等年月日
- 平成26年4月25日
- 解説
- 長明寺は松代町東寺尾に位置し、浄土宗の寺院である。元は千曲市屋代にあったが、文禄年間(1592-1596)には現在地に移ったとされる。開基は中世にこの地を領した地方豪族、寺尾傳左衛門尉である。
本堂は、明和4年(1767年)の建築とされ、境内中央に西面して建っている。寄棟で桟瓦葺であり箱棟を有する。内陣廻りは組物や彫刻欄間で荘厳(そうごん)である。虹梁(こうりょう)絵様や蟇股(かえるまた)の意匠も優秀で、江戸後期の当地域を代表する浄土宗寺院本堂である。
経蔵は、明治中期の建築とされ、境内北方に南面して建っている。3間(約5.5m)四方の土蔵造で、出入口と東西面の窓を花頭窓(かとうまど)とする。出入口上方には唐草の鏝絵(こてえ)を飾る。内部には、六角輪蔵を納める。輪蔵は六角の心柱を礎石の上に据え、6方向に心棒が出て、下から広がるように4段の挿肘木(さしひじき)が出ている。境内景観を引き締める経蔵である。
三門は、寛政8年(1796年)桁行三間の楼門で、下層全体を吹放しとする。上層は尾垂木(おだるき)付の三手先を詰組(つめぐみ)とし、内部の須弥壇(しゅみだん)に文殊菩薩などを祀る。素木造(しらきづくり)で、組物や垂木の木口に胡粉(ごふん)を塗る。当地の同時期の寺社建築には珍しく、彫刻を抑え、正統的な様式による力強い造形になる門である。
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