しののいせいぶちくけんえいほじょうせいびちてん
篠ノ井西部地区県営圃場整備地点
- 遺跡群
- 石川条里遺跡
- 遺跡番号
- E-①
- 種別
- 生産地
- 時代
- 弥生・古墳・奈良・平安・中世・近世・近代
- 地区
- 篠ノ井
- 所在
- 石川・二ツ柳・塩崎・みこと川
- 調査年度
- 1987~1991
- 報告書
- 石川条里遺跡(6)
- 地図
-
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- 解説
- 石川条里遺跡は、長野盆地南部に発達した千曲川左岸の後背湿地に立地する、弥生時代から近世までの水田遺構を主体とした生産遺跡です。条里遺構、すなわち現代の水田区画に残る古代の条里地割に基づく遺跡で、その範囲は篠ノ井塩崎・石川・二ツ柳に広がる水田地帯全域にわたります。
本地点は遺跡の中央に位置します。昭和62年(1987)~平成3年(1991)に圃場整備事業にともないトレンチ調査が行われ、氾濫砂に覆われた平安時代の条里地割に基づく水田跡を多くの調査区で検出したほか、その上層の中世・近世の水田跡を部分的に確認しました。このうち、遺構が破壊される恐れのあった5箇所については、調査区を拡張して平面的な発掘を実施しています。昭和62年度2号トレンチ拡張区では、平安時代の水田跡の調査を行いました。水田を区画した畦畔は南北方向に2本、東西方向に2本検出され、東西方向の1本には用水路とみられる溝跡が並走していました。水田面には足跡とみられる凹凸が著しく残され、中には農耕牛のものと思われる蹄跡も認められました。このほか、中世の水田跡を昭和63年度1号トレンチ拡張区で、近世の水田跡を昭和63年度7号・26号トレンチ拡張区、平成2年度23号トレンチ拡張区でそれぞれ調査しています。近世の水田面からは、田起こしの鋤先痕、稲株痕、暗渠など、耕作活動にともなうさまざまな痕跡・遺構が見つかっています。
また、微高地にあたる平成元年度Ⅲ‐1調査区では、低湿地へ落ち込む自然地形を利用した一辺100m規模の方形区画を部分的に検出しました。斜面の一部には葺石状の集石遺構がみられ、その隣接地からは廃棄された多量の土器・木製品・石釧(いしくしろ)が出土しています。微高地上からは掘立柱建物跡が1棟検出されました。古墳時代中期に位置づけられるこれら一連の遺構は「栟下居住域遺構」として把握され、南方100mの高速道地点で見つかった「大溝区画特殊遺構群」とともに、古墳築造にかかわる祭祀遺構として注目されています。
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