指定文化財詳細

みやざわしていえん

宮澤氏庭園

指定区分
国登録記念物 
地区
松代 
所在
長野市松代町松代 
指定等年月日
平成26年10月6日

 

解説
 「宮澤氏庭園」は、松代町代官町の通りに面し、その西側に位置する。今井氏庭園、半田氏庭園と続く一つの「泉水路」により連続する一群の庭園であり、城下町の西側山裾を南から北へ流れる神田川より取水されている。泉水路は、南側に隣接する半田氏庭園から流れ込み、道路脇を流れるカワへと流れ落ちる。連続する庭池がつながる水路形状も良好に残っており、貴重な庭園といえる。
 宮澤氏庭園のある代官町は、江戸時代は藩士の屋敷町であった。江戸時代から明治時代初頭まで湯本家の屋敷地であった。宮澤氏は、昭和32年からこの地に住み始めており、少なくとも庭園はそれ以前から存在していたといわれている。庭園は主屋の南側に造られ、中央には池がある。庭園の南側には多くの樹木が植裁され、木立を形成している。池の北側の護岸には礼拝石がある。庭園にある池水は南に隣接する半田氏庭園から石積みの泉水路を通って流れこんでいる。常緑樹と低木が多く、池の南側にはマツやヒノキ、ヒバ、コウヤマキなどが植えられている。また池の護岸にツツジが植えられている。敷地の西側は果樹園になっている。
 松代の庭の特徴である池を中心とした構成、マツの植裁、泉水路から池に流れこむ水の音、借景がある。常緑樹が多く、冬に雪が葉に積もる景色も見られる小庭園であり、往時の姿を伝えている貴重なものである。一つの「泉水路」で繋がる庭園として松代の造園文化の発展に寄与した意義深い庭園である。
 

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