指定文化財詳細

きゅうやまでらじょうざんしていえん

旧山寺常山氏庭園

指定区分
国登録記念物 
地区
松代 
所在
長野市松代町松代 
指定等年月日
平成20年7月28日
地図

サイトが別ウィンドウで開きます。
「同意する」ボタンを押すと地図が表示されます。

 

解説
 「旧山寺常山氏庭園」は、松代町に楔のように張り出した象山の麓、町内を流れる泉水路の最上部に位置している。山寺常山は、江戸時代の終わり、鎌原桐山、佐久間象山とともに松代の三山と称えられた知行160石の中級武士で、藩政に尽力し、寺社奉行や郡奉行などを務めた。
 敷地内には、江戸時代終わりから明治時代初期にかけて建てられたと推測される表門と、大正時代終わりから昭和初期にかけて建てられたと推測される書院が残され、表門はいわゆる長屋門形式で、全幅は約22メートルあり、松代城下に残された門の中では最大級である。主屋は大正時代に失われている。平成14~16年度にかけて表門と書院の建物解体・保存整備を実施した。
 庭園には池泉、泉水路が残され、隣接して流れる神田川から直接取水している。屋敷の背後にある象山の山並みを借景とし、庭内にはカシワ、カキ、アンズなどが植えられている。主屋跡を含めた庭園は、長らく放置状態で荒廃していたが、平成16年に施設整備を実施した。
 現存する庭園の地割は、大正時代に整備されたものであるが、施設整備の際、既存石積みの積み直しを行ったところ、石積上部の石材には一部新しいものもあったが、既存石積の下に胴木が残されていたことから、池泉、泉水路自体は、主屋のあった江戸時代の形状をそのまま留めていると推測される。このように、山寺常山邸は松代町の武家屋敷庭園の特徴をよく残しており、貴重な歴史的文化遺産として後世に伝承してゆくための文化的な価値は高いものである。 

この文化財を見た人は、ほかにもこの文化財を見ています。

大木氏庭園

野中氏庭園

象山神社園池

今井氏庭園

宮澤氏庭園