おおむろ23ごうふん
大室23号墳
- 遺跡群
- 大室古墳群 大室谷支群
- 遺跡番号
- F-114-023
- 種別
- 古墳
- 時代
- 古墳
- 地区
- 松代
- 所在
- 松代町大室
- 地図
-
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- 解説
- 大室23号墳は松代町大室の村東山手に位置し、「大室古墳群大室谷支群」に属しています。大室谷支群は、標高400m付近から標高660m付近までの谷内部と谷の入口付近で千曲川に向けて形成された扇状地上に古墳が分布しています。23号墳は標高360m付近の扇状地末端部に位置し、大室谷支群では最も千曲川に近い古墳のひとつです。
1988(昭和63)年には上信越自動車建設事業計画が具体化し、大室谷支群の扇状地末端部に分布する古墳が路線内に含まれることが明らかとなり、記録保存の対象となりました。本墳もそのうちの一基で、1990(平成2)年に発掘調査が実施されています。
墳丘は約18×13mを測る円墳です。墳丘端部を巡る石列は谷側に面する部分のみにみられ、全周していないことが明らかとなりました。墳丘内からは二重の石列が確認され、横穴式石室の裏込めを盛土で抑え、墳丘の表層に礫を用いている墳丘構造が確認されました。こうした墳丘構造をもつ古墳は、大室谷支群の21号墳や31号墳、北谷支群の425号墳等があり、積石墳丘の一種類と考えられています。
埋葬施設は全長7.15m、最大幅1.65mを測る両袖式の横穴式石室です。大室古墳群の横穴式石室は南西方向に開口するものが大多数ですが、本墳は等高線に併行して横穴式石室が構築され、西向きに開口していることを特徴とします。石室床面は玄室が角礫敷き、羨道が平石敷きで、玄門部と羨道先端部にはそれぞれ框石(かまちいし)が設置されていました。
遺物は玄室内よりガラス玉1点と鉄鏃22点、羨道及び墳丘より土師器と須恵器が出土しました。
築造年代は出土遺物から7世紀前半代と考えられています。
発掘調査終了後、横穴式石室の残存状況が非常に良いため、日本道路公団の協力を得て、移築復元を行いました。横穴式石室の解体時には、玄室の奥壁に使用された鏡石が重さ5tであること、さらに自立していることが確認されました。5tもある一枚石を埋め込まずに自立させることは現代技術をもってしても難しく、古墳時代の石工技術が非常に高い水準にあることがわかりました。
移築復元により、現在は史跡大室古墳群(エントランスゾーン)内に保存されています。また、出土遺物は長野県立歴史館にて保管されています。
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