指定文化財詳細

さなだのぶしげたまや,つけたりまえづくえいっきゃく,つりどうろうにこ

真田信重霊屋,附前机1脚,釣燈籠2個

指定区分
重要文化財 
地区
松代 
所在
長野市松代町西条 
年代
慶安元年(1648) 
指定等年月日
昭和46年6月22日
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解説
 西楽寺は天正2年(1574)、西条氏が開基した浄土宗の寺。松代真田家初代信之の三男隼人正(はやとのしょう)信重の帰依(きえ)寺だった。
 信重は慶安元年(1648)、武蔵国鴻巣(こうのす)で病死し、同地の勝願寺に葬られたが、生前の関係により同年西楽寺に霊屋を建立し、信重と内室の位牌を安置している。
 寺の南にある霊屋は、方三間でこけら葺(ぶ)きとしている。回縁と向拝が付き、正面は中央に花狭間(①はなざま)付き桟唐戸(さんからど)をつる。左右は連子(れんじ)窓で、柱上に出組をおき、中備(なかぞなえ)は蟇股(かえるまた)と蓑束(みのづか)、軒(のき)は一軒(ひとのき)の繁垂木(しげだるき)とする。
 内部は前面一間通りを外陣とし、格子戸で内陣を区画して、外陣に鏡天井(②)、内陣に格天井(ごうてんじょう)を張る。内陣の奥に禅宗様(ぜんしゅうよう)(唐様(からよう))仏壇を据え、阿弥陀像と信重夫妻の位牌を置く。内・外陣の境の中備に、45度方向に肘木(ひじき)が出た組物をおくのは、中国には古くあるが日本ではほかに例がない。全体に古風で細部の手法が洗練されており、近畿地方の工匠の手になるものと考えられている。
 内陣仏前の前机1脚と釣灯籠2個は霊屋建立時のもので、前机には慶安元年10月、釣灯籠には慶安2年2月の銘がある。

 注① 花狭間(はなざま)・・・縦横あるいは斜めに組んだ格子に、花形や葉形の装飾片を付けたもの。
 注② 鏡天井・・・板を並べて張った平たい天井。