もくぞうしょうかんのんぼさつりゅうぞう
木造聖観音菩薩立像
- 指定区分
- 市指定有形文化財
- 地区
- 川中島
- 所在
- 長野市川中島町今井
- 年代
- 藤原時代後期
- 指定等年月日
- 昭和42年11月1日
- 地図
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- 解説
- 切勝寺は川中島西南の今井にある真言宗の寺である。寺の南には今井神社社地(元伊勢社)があるが、ここはかつて今井兼平の居館だったと伝えられており、その西に兼平塚と呼ばれる石造五輪塔がある。
この聖(しょう)観音菩薩像も兼平塚近くの観音堂に安置されていて、俗に兼平の守(まもり)本尊と伝えられるが、史実ではない。
像は高さ76.4㎝の小さなもので、檜材を用いた一木造りの漆箔像である。垂髪(すいほつ)の宝髻(ほうけい)が低く、正面の毛髪をまばら彫りにし、天冠台、条帛(じょうはく)、ひざ前にかかる二重の天衣(てんね)はともに彫り出し、彫眼(ちょうがん)としている。
小像ながら肉取りはよく、また、胴の締まりを強くして全体を引き締めている。
腰を左右にひねって左右の均整を破るところなどに藤原時代初期の形式の名残が見られるが、藤原時代後期に属するものだろう。