指定文化財詳細

もくぞうしょうかんのんぼさつりゅうぞう

木造聖観音菩薩立像

指定区分
市指定有形文化財 
地区
若槻 
所在
長野市大字田子 
年代
藤原時代中期 
指定等年月日
昭和44年9月10日
地図

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解説
 地蔵院は田子から山千寺へ行く道の右手の山のふもとにある。聖(しょう)観音像はこの寺の観音堂に安置されている。

 本像は檜(ひのき)材の一木造りで、像高101㎝。平安時代中頃の作例と推定され、北信濃に残る仏像の中でも古像の1つと言ってよい。伝来は不明であるが、文政5年(1822)に書かれた当寺の縁起には、かつて境内入り口付近にあった池の中から発見されたとの伝承が残されている。
 長く風雨に晒(さら)された時期があった時期があったことを示すように、全体が磨耗して木目が顕になっているが、頭部の盛り上がった宝髻(①ほうけい)や引き締まった胸部、そして細身の体躯にしては立体的に富む点などに、この時代の特徴が現れている。なお、両肩から先の部分と両足、向背、台座等は後世に補修されたものである。背部に墨書銘があり、現在ではほとんど判読できないが、かつては「元禄」(1688~1704)の年紀や「正観音春日御作」という文字が読めたとされるので、このときに補修されたと考えられる。
 
注①宝髻(ほうけい)……天部などの像が頭頂に結んでいる髻(もとどり)。