- 解説
- 梅翁院は、松代町松代に位置する曹洞宗の寺院で、開基は玉川伊豫守の女右京、開山は長国寺六世大承和尚とされる。右京は松代藩初代藩主真田信之の側室で忠義も篤く、寺号は右京の法号に由来するとされる。
本堂は、文久元年(1861年)の再建とされ、弘化4年(1847)の善光寺地震の際に、建物が破損したために修復し再建したとの伝承がある。木造平屋建、寄棟鉄板葺屋根で、境内に南面して建ち、六間取方丈型の平面とし、前土間を持つ。前土間には、現在、床が張られている。建物の内外には、彫刻が少なく、簡素な外観であり、当地における近世の曹洞宗寺院本堂の様相を伝えている。
山門は、江戸後期の建築とされ、木造平屋建、薬医門形式、桟瓦葺屋根である。間口2.7mで左右袖塀及び潜り戸が附属しており、本堂南正面に南面して建つ。小屋組は、梁の上に束がのり、棟木を支えている。軒は二軒で構成されている。扉には八双金具と乳金具(ちかなぐ)を打つ。簡明ながら重厚な意匠を持ち、伽藍の正面を飾るにふさわしい山門である。
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