とがくしたがしらのがんくつかんのんどう
戸隠田頭の巌窟観音堂
- 指定区分
- 市指定有形文化財
- 地区
- 戸隠
- 所在
- 長野市戸隠栃原
- 年代
- 江戸時代後期
- 指定等年月日
- 平成30年3月9日
- 地図
-
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- 解説
- 戸隠栃原の田頭集落にある巌窟観音堂の縁起は古く、安和2年(969)の平維茂の鬼女紅葉討伐の伝説まで遡るとされる。観音堂境内には、市指定天然記念物の大杉がある。
建物の建築年代を遡ることのできる史料は、拝殿脇の板壁に確認できる文政8年(1825)の墨書が最古である。拝殿の彫刻は、材の風蝕具合や彫りの深さから同時期のものと判断できる。宮彫師の立川流二代目立川和四郎冨昌(1782-1856)が活躍した時代であり、この建物にも影響があったことも推定される。建設年代は、19世紀前半以前の建築と思われる。
観音堂は、山岳地域に立地している懸造として貴重である。拝殿は、入母屋造で、間口3間、奥行2間の大きさを誇る。前面にたつ拝殿とその奥の巌窟を奥殿にした構成は、独特の宗教的な雰囲気を醸し出している。床下の架構が独特で、傾斜面及び巌窟という立地条件に対して、曲がった水平材を巧みに組み合わせ、その上に垂直材をたてることで床を支えている。一般的な懸造にみられる床を支える長い柱はなく、その架構の形は他に例を見ない。特徴的な架構が見られ、貴重な建築遺構である。
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