学芸員のちょこっと一言 ながの文化財ブログ

 11月19日(日)に新諏訪町公民館において、「新諏訪町80周年記念式典」が行われ、元長野市地方文化財保護審議会長笹澤浩先生による「新諏訪町遺跡は語る」と題した講演会が行われました。

 それに先立ち、「新諏訪町遺跡-善光寺平を望む集落を掘る!-」と題し、発掘調査のやり方や、平成27年、28年に行われた発掘調査の概要などを当センター職員が紹介いたしました。

 笹澤先生による講演では昭和42年、43年に長野西高校の生徒たちと一緒に行った発掘調査の概要や新諏訪町遺跡が善光寺平に稲作が始まった頃の遺跡であること、またこの遺跡から始まった稲作文化がその後、北信地域を中心に広がり、中野市の柳沢遺跡の銅戈・銅鐸につながる話など興味深いお話がありました。

 また、昭和の調査で見つかった新諏訪町式土器や平成の調査で見つかった土器、石器、金属製品なども展示してご覧いただきました。

 新諏訪町地区のみなさんに地元の歴史を感じていただく機会になりました。

 

笹澤先生が新諏訪町遺跡について解説している様子

▲笹澤先生による講演

 

当センター職員による平成27年、28年の発掘調査を説明する様子

▲当センター職員による解説

 

左側に昭和の調査で見つかった新諏訪町式土器土器。右側に平成の調査で見つかった土器や石器、金属製品などを展示した様子

▲昭和の調査で見つかった新諏訪町式土器や平成の調査で見つかった石剣や銅鏃などの展示

 

平成の発掘で見つかった土器や石器、発掘写真を展示した様子

▲平成の発掘調査で見つかった土器や石器の展示

 

 

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 11月14日(火)に古里総合市民センターにて、「原始・古代の古里をさぐる!」をテーマに講演会を行いました。

 古里地区で発掘調査された遺跡の解説に加え、長野市全体の原始・古代にも一部触れながら、古里地区の歴史についてお話しさせていただきました。

 41名もの方々にご参加いただきまして、ありがとうございました。

 

スクリーンで解説するセンター職員と講演を聞く来場者

 

 

 また、ロビーにて開催しています遺物展示は、引き続き12月15日(金)まで行っております。

 ぜひご覧ください。

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 平成29年9月30日に、更北中学校で行われた勾玉づくり講座に埋蔵文化財センターから2名のスタッフを派遣しました。

 更北中学校では、「知新の会」という、地域の方を講師に招いて様々な体験学習をし、地域とのつながりを強めようという試みを実施しています。今回の勾玉づくりもそのうちの一講座でした。

 参加した人は、1年生から3年生までの44人です。当日は文化祭ということもあって、いつも以上ににぎやかな勾玉づくりでした。1時間強という短い時間でしたが、ほとんどの人が時間内で作り上げることができました。

 

▼説明を聞きながら、勾玉の設計図を描いていきます。

勾玉づくりの説明を聞く生徒たちの様子

 

▼設計図ができたら、ひたすら石を削って勾玉の形に近づけます。

石をやすりで削って勾玉の形に近づけている様子

 

▼時々アドバイスを聞いて、形をきれいに整えていきます。

アドバイスを聞きながら勾玉を作っている様子

 

▼きれいな勾玉が完成!

完成した勾玉を手のひらの上にのせた様子

 

 

 講座の最後には、長野市内の遺跡から出土した本物の勾玉もみてもらいました。市内でも様々な勾玉が出土していることを知り、皆さん驚きの表情でした。

 今回の講座で、古代人の技術や思いをより感じていただき、明日からの歴史の勉強に生かしてもらえれば嬉しいです。 

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   1月28日(土)、長野県立歴史館で行われた講座に参加してきました!この講座は歴史館の冬季展「信濃国の城と城下町」の関連イベントです。県内の江戸遺跡研究の第一人者である竹内靖長氏と一緒に城と城下町についてお話しさせていただきました。

 いざ!!松本VS松代。講座ではそれぞれの特徴を比較しました。例えば松本城は三の丸の中に藩士たちの屋敷がありましたが、松代では藩士たちは城のまわりに住み、町人の住まいとも接して城下町を形成していました。特に違うのは出土する陶磁器や土器についてです。松本では焼塩壺という、江戸時代の高級食卓塩の容器が出ていますが、松代では今のところ出土していません。通常は城や上級藩士の屋敷などで出土するのですが、松代藩の不思議の一つです。また陶磁器は松本より南の中南信地方では、愛知や岐阜県の瀬戸や美濃の焼物が多く出土します。しかし松代やそのほかの北信地方では、九州地方の焼物である唐津焼と伊万里焼が多い傾向があります。この違いはどこから生まれるのか、ということがテーマの一つです。

 それはそれぞれの地理的な位置が大きく関わっています。中南信は瀬戸や美濃にも近く、馬を使った輸送ルートが発達していました。北信は日本海に非常に近く、日本海を行き来する北前船の運ぶ物資を手に入れやすかったのです。上越の商人たちにとっても北信は「お得意さま」であったようで、陶磁器だけでなく、塩や干し魚もほとんどが北信へと送られていました。

 歴史館の冬季展「信濃国の城と城下町―発掘調査が謎を解く―」は2月26日(日)まで開催中です(休館日あり)。広い信濃だからこそ、藩ごとに色々ちがいます。展示で体感していただければと思います。

 

竹内氏による松本城と松本城下町跡のお話し

 

竹内氏による松本城と松本城下町跡のお話の様子

 

松代城と松代城下町についてお話しする様子

 

松代城と松代城下町についてお話しする様子

 

松代城下町で出土する陶磁器

 

松代城下町跡から出土した陶磁器。町家では大量生産品が多い。

 

 

松代城下町への陶磁器流通ルート

 

松代城下町には日本海から唐津焼・伊万里焼が入って

きます。瀬戸美濃焼は松本から入ってくるようです。

 

 

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 千曲市の長野県立歴史館にて、平成28年度冬季展『信濃国の城と城下町 ―発掘調査が謎を解く―』が、昨年末の12月17日(土)から平成29年2月26日(日)まで開催されています。

 

 この企画展には、長野市教育委員会も共催させていただき、松代城跡や松代城下町跡から発掘調査で出土した陶磁器や瓦などの貴重な遺物を展示しています。また、長沼城跡についても最新の研究成果を紹介しています。

 

 1月28日(土)の午後1時30分から、県立歴史館において関連講座が開催され、当センター研究員田中暁穂による「松代城下町跡の発掘調査について」の講演も予定されています。

 松代城下町と、松本城下町との発掘調査成果による比較や、当時の人びとの暮らしぶりに迫るトークセッションも予定されていますので、とても興味深い講座になると思います。

 

 ご興味のある皆様、ぜひご参集いただければ幸いです。

 

 

 

◆関連講座


【第2回】平成29年1月28日(土)13:30~15:20
 「松本城跡・城下町跡の発掘調査について」 竹内靖長 氏(松本市美術館)
 「松代城下町跡の発掘調査について」 田中暁穂 氏(長野市埋蔵文化財センター)

 

 

◆県立歴史館のホームページ


http://www.npmh.net/

 

 

『信濃国の城と城下町』PRチラシ表面

 

 

『信濃国の城と城下町』PRチラシ裏面

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 12月2日にかがやきひろば湯福で講座をしてきました。11月18日からはじまった古代遺跡講座の最終回です。湯福地区とも縁の深い善光寺について、「古代善光寺の謎」というテーマでお話しました。古代の善光寺の歴史を、考古学や日本史、美術史の視点から考えるというものです。25人の方々にご参加いただき、善光寺周辺で出土した実物の瓦を見ていただきながら楽しくお話させていただきました。今回で古代遺跡講座は終了です。ご参加の皆様、職員の皆様ありがとうございました。

 

スライドを見ながら善光寺の古代について解説
▲スライドを使い、善光寺の古代について解説しました。
善光寺瓦について、実際に出土した瓦を見てもらう
▲善光寺瓦について解説。実際に出土した瓦を間近で見ていただきました。

 

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11月4日(金)、長野市松代町にある清野小学校において清野小学校130周年記念事業実行委員会が主催する記念講演会が行われ、「清野小学校は古代のタイムカプセル」と題した講演をさせていただきました。

 

清野小学校は松代町清野の千曲川右岸自然堤防上に広がる四ツ屋遺跡の西端に位置しています。四ツ屋遺跡は弥生時代から平安時代までの集落遺跡で、昭和51年に校舎の改築に伴って行われた発掘調査を皮切りに、これまでに6度の調査が行われました。また学校隣接地には、「四ツ屋祭祀遺跡(四ツ屋古墳)」や「道島廃寺」などの特殊な遺跡も存在します。

 

講演ではこれらの遺跡を紹介しながら、清野地域の歴史的重要性とともに、過去を知ることの楽しさ・大切さをお話させていただきました。児童の皆さんには少し難しい内容もあったかもしれませんが、ふるさと清野の素晴らしさを感じ取っていただけたなら嬉しく思います。

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なお、校内では10月上旬から四ツ屋遺跡などの出土品を展示しており、当日は児童のみなさんに解説をする機会もいただきました。

 

清野小学校の皆さんありがとうございました。

 

講演会のようす 展示品を前に解説を聞く児童
▲講演会のようす ▲展示解説のようす
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 今月から湯福老人福祉センターで、3回にわたって古代遺跡講座が行われます。

内容は、

  第1回 11月18日 『邪馬台国と赤い土器のクニ ~弥生時代の箱清水~』

  第2回 11月25日 『古代の勾玉づくり体験教室』

  第3回 12月2日  『古代の善光寺をさぐる ~周辺遺跡の発掘調査~』

となっており、発掘調査で見えてきた長野市や善光寺について講演します。                             

 

 これに先立って、10月21日から12月2日まで、湯福老人福祉センターにてミニ展示を開催しております。

 第1回の講演のキーワードである箱清水式土器や、善光寺に関わる出土遺物として善光寺瓦が展示されています。

 いつもケースを隔てている展示遺物も、今回はケースに入れずそのまま展示されています。土器や瓦の実物を真近でご覧頂ければ、講演の内容もよりリアルに感じ取ってもらえるのではと思います。

 この機会にぜひ、展示や講座に足をお運びください。

▼展示の様子

赤い土器や瓦の実物、文章パネルが展示されている画像

展示物を4人の女性が見ている様子

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 平成28年4月23日(土)、長野県立歴史館にて開催された遺跡報告会で発表させていただきました。

 

 長野県立歴史館主催の巡回企画展、『長野県の遺跡発掘2016』に関連した遺跡報告会で、「長野女子高校校庭遺跡の発掘調査」について報告しました。

 

 当日は、長野女子高校校庭遺跡のほかにも、栄村ひんご遺跡の報告があり、そして三上徹也先生による「土偶ってなんだろう?」講演会もあり、大変勉強になりました。

 

▼報告会のようす

 

 

 報告会の後は展示解説を行い、ご見学の皆様からたくさんご質問をいただきまして、楽しい時間を過ごすことができました。

 

 ご見学、ご聴講の皆様、長野県立歴史館の館長様はじめご担当の皆様、良い機会をいただきまして誠にありがとうございました。

 

 

 この展示会は6月26日(日)まで続き、その後も会場を代えて県内で開催されます。長野女子高校校庭遺跡出土の土器もひきつづき展示されておりますので、皆様おでかけください。

 

▼長野県立歴史館のホームページ

 http://www.npmh.net/

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 5月13日(水)、信州大学教育学部附属長野小学校に行ってきました。

 6年1組の社会科の郷土の歴史に関する授業のお手伝いとして、小学校の近くにある水内坐一元神社遺跡や小島境遺跡の発掘調査のようすをお話し、実際に出土したホンモノの土器や石器、木製農具なども手にとって質感を味わっていただきました。児童の皆さんは事前に質問を考えてくれたようで、回答に困ってしまうような良い質問がたくさん出てきました。

  

▼ 水内坐一元神社遺跡のお話

 

▼ 弥生時代の土器は意外に重たかった!

 

 

 

 授業後には校庭に出て、火おこしを体験していただきました。最初はなかなか火が着かず皆さん苦労していたようですが、次第にコツをつかみ最後にはすべてのグループが成功していました。起きた火でマシュマロを焼いたり、ウィンナーやベーコンまで持参した児童もいて、ちょっとしたアウトドア気分も味わうことができとても楽しかったです。

 

▼ 校庭での火おこし

 

▼ なかなか火が着かない

 

▼ 本格的なバーベキュー?

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