学芸員のちょこっと一言 ながの文化財ブログ

6月20日(月曜)、国立歴史民俗博物館の藤尾慎一郎教授による塩崎遺跡群出土人骨の調査が行われました。


塩崎遺跡群の1985年の発掘調査では、長野盆地で稲作が始まって間もない弥生時代中期前葉(約2,300年前)の複数の木棺墓から、20体以上の人骨が見つかっています。1997年に発表された茂原信生 京都大学教授(当時)らの調査では、渡来系弥生時代人の形質的特徴を持つことが指摘され、副葬されたたくさんの土器とともに、弥生文化の当地への波及を考えるうえで重要な考古資料となっています。


今回の調査では、人骨からサンプルを採取し、DNAの解析や炭素14年代の測定を行う予定とのことです。本格的な調査はこれからですが、どんな結果がでるのか今から楽しみです。


またこの日は、設楽博已 東京大学名誉教授が一緒においでになり、東町遺跡出土絵画土器などの資料調査も行われました。設楽先生にはかねてより絵画土器について指導を受けていましたが、実見する機会は今回が初めてであり、改めて有益なご助言を頂くことができました。

 

▼藤尾先生の調査のようす

机の上に並べた人骨を藤尾先生が写真撮影しています


▼1985年の発掘調査で見つかった木棺墓(左から4号・21号・5号)

地面に掘られた細長い墓穴が三つ並び、その中に人骨や土器があります


▼設楽先生の調査のようす

机の上に置かれた絵画土器を観察しながら設楽先生がメモをとっています
 

 

 

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令和4年3月8日に長野市の遺跡地図が更新されました。

 

E-044 篠ノ井佃遺跡(篠ノ井布施高田)

F-042 代官町窯跡(松代町代官町)

L-015 財又遺跡(鬼無里字才又東)

 

以上の3遺跡が新しく登録されました。

 

長野市内の遺跡は、長野市ホームページから

長野市行政地図情報 ⇒ 規制 ⇒ 遺跡地図(埋蔵文化財)で確認することができます。

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3月14日(日曜)、「中野市立博物館 令和2年度ふるさとレポート発表会」(主催:中野市立博物館・中野市教育委員会)で、長野市東町遺跡出土絵画土器についての講演をさせていただきました。

 

会場となった中野市立博物館には、全国的に有名な柳沢遺跡出土の銅鐸・銅戈とともに、同じく柳沢遺跡から出土した絵画土器が展示されています。栗林式土器の壺に2頭のシカを描いたもので、長野県で初めて確認された絵画土器です。今回の講演内容に合わせ、中野市立博物館様のお取り計らいにより、当市から持参した東町遺跡の絵画土器と柳沢遺跡の絵画土器を並べて展示する機会を設けていただきました。

 

東町遺跡の「戈を持つ鳥装の人物」と柳沢遺跡の「2頭のシカ」の揃い踏みは初めてのこと。関係者にとっても、聴講者の皆様にとっても、貴重な展示となりました。

    
▼東町遺跡出土絵画土器(左)と柳沢遺跡出土絵画土器(右)

大きな展示台の上に二つの絵画土器が並べられています

 

▼講演会の様子

聴講者の前で講師がスライドを使って講演する様子
 

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 埋文センターの事務室の入口ドアが新しくなりました!

 

 大きな窓がありますので、事務室の中が見通せるようになりました。入口ドアが変わったことで雰囲気も明るくなり、皆さまに入ってきていただきやすくなったのではないでしょうか。

 

 埋蔵文化財センターの事務室には多くのお客様がいらっしゃいます。住宅の新築や建替えなどを検討されている市民の皆様、宅地造成などを計画している事業者様、ほかにも埋蔵文化財の保護に関する手続きについてご相談にお越しいただいています。

 

 事務室へは、博物館の受付で埋蔵文化財センターへの用向きをお申し出いただき、特別展示室の奥の階段で2階に上がっていただきます。

 月曜などの博物館の休館日は、博物館入口が施錠されており中に入ることができませんが、直接ご連絡(☎284-0004)いただきましたら、すぐに開錠いたします。

 

 埋蔵文化財に関する手続きや届出等については、長野市のホームページに掲載しておりますので、ご確認ください。

 

https://www.city.nagano.nagano.jp/site/kyouiku/44409.html

 

 

▼施工前

これまでの入口ドア。黒の開き戸です。

 

▼施工後

施工後の入口ドア。クリーム色のガラス開き戸で中が見えやすくなっています。

 

 

 

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 9月15日(火曜)に長野市埋蔵文化財センターにNBS長野放送「ふれ愛ながの」の取材が入りました。

 前半は、現在発掘調査を行っている浅川扇状地遺跡群のことについてお話ししました。現時点の調査では、古墳時代中期~後期と考えられる竪穴住居が5軒以上見つかっています。

 

▼NBS長野放送の戸田山貴美アナウンサーと当センター研究員

左側に戸田山貴美アナウンサー、右側に取材を受けている研究員

 

▼取材中の様子

発掘現場について説明している様子

 

 後半は整理棟にて、長野市埋蔵文化財センターの業務についてお話させていただきました。整理棟では、発掘現場から出土した遺物の整理作業をしています。

 

▼整理棟で当センター所長が取材を受けました!

左側に戸田山貴美アナウンサー、右側に所長が映っている様子

 

▼取材中の様子

土器の前で話をする戸田山貴美アナウンサー

 

放送は10月17日(土曜)10:45から11:15の予定です。皆さま、ぜひご覧ください!

 

 

 

 

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令和元年8月10日(土曜日)、古代遺跡徳間博物館で開催された勾玉作り教室に、当センターから3名のスタッフを派遣しました。

当日は、勾玉作り初チャレンジの方から経験者の方まで、約30名にお集まりいただきました。勾玉についてのミニ講座の後、早速勾玉作り開始です!

 

▼棒ヤスリと紙ヤスリを使って石を削ります

机の上で、4人の参加者が棒ヤスリを使って石を削っている様子。

 

▼わからないところや削りにくいところはスタッフのアドバイスも参考に!

センターのスタッフ1名が参加者に石の削り方のアドバイスを行っている様子。

 

▼最後は水の中で石を磨いて、つるつるにします

5名の参加者がバケツに入った水の中で勾玉を磨いている様子。

 

▼マーカーで色を付けて完成です!

机の上に勾玉が5個並んでいる様子。中央の玉は魚の形をしています。

 

▼会場の様子

4人から5人掛けの机が約8台並び、参加者がグループごとに席についている様子。

 

Cの字形の勾玉だけでなく、魚形やお花の形など、色々な形の勾玉が出来上がりました。

ご参加くださった皆さん、徳間博物館の皆さん、ありがとうございました!

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 SBCテレビの「ずくだせテレビ」久野大地アナウンサーが埋蔵文化財センターに取材に来てくれました。テーマは2月8日まで発掘調査をしていた後町遺跡についてです。後町遺跡は善光寺の参道である中央通りに面していて、弥生時代から近代という長い間人々が暮らしていた集落遺跡です。すぐ近くには県立大学後町キャンパスがあり、建設時には発掘調査を行いました。こちらにも久野アナとともにおじゃまして古代のロマンを満喫しました。

放送は3月7日(木)の予定です。

 

後町遺跡と西にある旭山の様子

後町遺跡から西の県庁と旭山を望む

 

遺構を掘って碗や皿などたくさんの出土品を取り上げる様子

近代のごみ穴からは大量の碗や皿が出土した

 

弥生時代の竪穴住居跡から土器や焼けた建材が出土している様子

弥生時代の竪穴住居跡の調査

 

後町遺跡でテレビ取材を行う様子

久野アナと後町遺跡を訪ねる

 

後町キャンパスで出演者が床に座り弥生時代の暮らしを想像する様子

後町キャンパスで弥生時代の竪穴住居跡があった場所で

当時の暮らしを再現してみる

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10月19日(金)から10月26日(金)まで、長野市立湯谷小学校で、同小学校近隣にある湯谷古墳群、地附山古墳群、浅川端遺跡の発掘調査の様子や出土遺物を展示しています。

湯谷小学校の児童の皆さんは、展示準備中から興味津々!

出土した馬具や刀、土器を見て「これは刀?」「本物ですか?」など、いろいろな質問が飛び交いました。この展示を通して、身近なところにある遺跡に親しんでいただければ嬉しいです。

 

▼展示の様子

パーテーションに貼られた発掘調査の写真と展示ケースに入った鉄製品や土器などの遺物

 

廊下に設置した展示品とそれを見る児童

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 平成30年9月21日付で行政地図情報(GIS)の遺跡地図(埋蔵文化財)および長野市遺跡一覧を改訂いたしました。

 遺跡地図については9月21日に最新の情報に変更いたしました。

 

 行政地図情報のトップページへリンク (長野市内の埋蔵文化財包蔵地の範囲や内容を「長野市行政地図情報」の「遺跡地図」から確認することができます。)

 

 今回、新たな遺跡として美和公園遺跡、上大久保1号墳、聖沢遺跡A地点、聖沢遺跡B地点、聖沢遺跡C地点が追加されました。

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長野市立更北中学校2年生の生徒4名が、8月29日から30日まで、埋蔵文化財センターに職場体験に訪れました。生徒の皆さんには、埋蔵文化財センターが行っている業務のうち、発掘調査の整理作業を中心に体験していただきました。

整理作業は、遺物の接合や拓本採取、図面の整理など、多岐にわたります。発掘現場で得られた資料を後世に残すための大切な業務です。

今回の体験が、生徒の皆さんが将来を考えるきっかけになりましたら嬉しいです。

 

▼拓本に初挑戦! 今回は、古銭と弥生土器の拓本をとりました。

4名の生徒が椅子に座って職員から拓本の説明を受けている様子

 

生徒が半紙とタンポを使って、土器の拓本をとっている様子

 

▼土器の接合体験。接着剤を使って破片をつなぎ合わせます。壊れやすいところは充填剤を使って補強します。

1名の生徒が、接合した土器にパレットナイフを使って充填剤を入れている様子。

 

▼実際の発掘調査と同じように、図面を書いたり機材を使って標高を測ったりする体験もしてもらいました。

2名の生徒が図面を書き、2名の生徒が機械を使って遺物の高さを測っている様子です

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