学芸員のちょこっと一言 ながの文化財ブログ

 平成29724日から発掘作業を行った三輪遺跡の調査が912日に終了しました。

 三輪では過去に何度も発掘調査が行われており、弥生時代から平安時代にかけての多くの竪穴住居跡が見つかっています。今回の調査では、古墳時代後期から平安時代までの竪穴住居跡を18軒確認しました。時期は古墳時代と平安時代が主体ですが、三輪遺跡ではあまり確認されていなかった奈良時代の住居跡も1軒見つかりました。また、古墳時代や平安時代の住居跡が何軒も重なった状態で検出されました。遺物は、土師器・須恵器・灰釉陶器・凹石・刀子など、主に当時の日常生活で使用されていたものが出土しました。

 調査の結果から、調査地が各時代に集落の居住域として利用されてきたことがわかり、三輪遺跡の性格を考える上で貴重な資料を得ることができました。

 

ドローンにより上空から撮影した調査区全体の写真です。 

 

三輪の住宅地の中にある調査地を撮影した写真です。

ドローンにより空中から遺跡全体を撮影しました。このような住宅密集地の下にも遺跡が残されています。

 

 

古墳時代の竪穴住居跡1軒の写真です。全体の形は方形で、柱を立てた穴が見られます。

古墳時代の竪穴住居跡です。

 

 

竪穴住居跡から見つかったカマドの跡の写真です。使われていた土器やカマドの石が残されています。

竪穴住居跡の中にはカマドの跡が残されていることもあります。カマド周辺からは当時使われていた甕などの土器が見つかります。

 

 

作業員さんが竪穴住居跡を掘っている写真です。

発掘作業の様子です。8月の非常に暑い時期の発掘作業となりました。

 

 

 

 

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9月25日、千曲市八幡にある「武水別神社神主松田家館跡」において、9月6日に発生した火災により焼失した建物内から文化財資料を救出する作業が行われました。この作業は千曲市教育委員会の要請により県内各地の文化財担当職員が集まって行われたもので、長野市教育委員会からは5名が参加しました。

 

本市の職員は、写真・文書・陶磁器・漆器・衣類などの文化財資料の回収・分類と、土壁や茅などの廃棄物の搬出を主に担当しました。作業を行う中で、何百年も受け継がれてきた文化財を一瞬にして灰へと変えてしまう火災の恐ろしさを身をもって感じました。

 

10月2日には2回目の作業が予定されています。

 

始めの会のようす

▲始めの会のようす

 

文化財資料と廃棄物を分別しているようす

▲焼跡から文化財資料と廃棄物を分別します

 

文化財資料を回収・分類しているようす

▲種類ごとに箱を分けて文化財資料を回収します

 

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古墳の傍らにこじんまりと群生するヒガンバナを見つけました。

 

土手や田んぼの畔でよく見かける身近な花ですが、古代人が眠る古墳群中にひっそりと咲く姿にはそれとは違った趣が感じられます。

 

古墳の傍らに咲くヒガンバナ

 

古墳の傍らに咲くヒガンバナ

 

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平成29年9月18日(月・祝)に、古代遺跡徳間博物館で開催された「火おこし体験をしてみませんか!?」に、埋蔵文化財センターから5名のスタッフを派遣しました。

今回は、「マイギリ法」という方法で火おこしにチャレンジしました。

数々の講座を開催してきた徳間博物館ですが、火おこし体験は初めてだそうです。

火と人間の歴史について、ミニ勉強会を行ったあと、さっそく火おこし開始です!

 

▼木をこすり合わせて、摩擦熱で火種をつくります。火種ができるまでとにかく「火きり棒」を回し続けます。

マイギリ法で火種をつくる様子火きり棒を回して摩擦熱を起こす様子

 

▼火種ができたら、すばやく麻布の上に移します。火種を消さないように、息を吹きかけたりして空気を送ります。

麻布に火種を移したところ

麻布の上の火種に息を吹きかけて空気を送る様子

 

 

▼火がつきました! 周りの皆さんから拍手が沸き起こります。

男の子が持った金属板の上で麻布が燃えている様子

火おこしに成功した参加者と燃えている麻布

 

火種をつくるために汗をにじませながらの火おこし体験となりましたが、皆さん楽しんでいただけたご様子でした。

当日ご参加くださった皆様、ならびに徳間博物館の皆様、ありがとうございました。

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