学芸員のちょこっと一言 ながの文化財ブログ

2014/10/17 16:10松原遺跡の発掘が終わりました

交差点改良工事にともない8月4日から行われていた松代町東寺尾の松原遺跡の発掘調査が、10月10日に終わりました。

上信越自動車道長野ICのほど近くにある松原遺跡は、千曲川の右岸自然堤防上に広がる遺跡で、縄文時代から中世までの長きにわたる人々の生活の跡が残されています。特に、弥生時代中期後半(約2000年前)の集落は南北約700m、東西約400mという広さで、東日本では最大規模と考えられています。

今回の発掘調査面積は約300㎡で、見つかった遺構は平安時代後半の住居跡2軒・溝1条など、弥生時代中期後半の土坑3基・溝1
条などと少数でした。また、出土遺物の量もそれほど多くありませんでした。このことから調査地は集落の端部と考えられ、松原遺跡の範囲を考える上で貴重な成果を得ることができました。


調査前の様子 調査前のようすです。中央に旧屋代線の線路敷、奥には上信越自動車道が見えます。
発掘調査の様子 平安時代の住居跡を調査しているようすです。
土器が出土した様子 弥生時代中期後半の土坑(大きな穴)からは完形に近い小型の甕が出土しました。

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