学芸員のちょこっと一言 ながの文化財ブログ

2016/5/18 13:16県町遺跡の発掘調査が終了しました。

 平成28年1月12日から2月19日までと、4月25日から5月17日までの期間に、長野市大字南長野の県町で発掘調査を行いました。県町周辺はホテルやビルが立ち並ぶ中心市街地ですが、以前から遺跡が確認されており、今回は新たなマンション建設に先立って調査を行いました。

 

 今回の調査では弥生時代中期、奈良・平安時代の住居跡がみつかりました。

調査面積は全体で約600㎡と比較的狭い範囲の調査でしたが、発見された住居は18軒と多く、密集した集落であったことがわかりました。

 特に奈良時代の住居跡は、その多くからカマドが検出されました。カマド内からその前面にかけて、焼土や土器が出土し、床面からは形の残る土器が出土しました。

 また、弥生時代中期の住居跡では、住居跡の隅から壺が10個体がまとまって出土しました。この住居は柱痕の残りもよく、床面からは土器や炭が多く検出されました。出土状況から、遺構の廃棄に関わる行為ではないかと考えられます。

 

 寒さ厳しい真冬からの調査でしたが、無事発掘調査を終え、良い成果を得ることができました。



奈良時代のカマド   弥生時代の住居跡

  奈良時代のカマド(A2次面 SB5)         弥生時代の住居跡(A2次面 SB4)


住居隅出土の土器     調査風景

  住居跡隅でかたまって出土した土器                   調査風景

        (A2次面 SB4)

調査区全景 A区2次面    調査区全景 B区2次面

      調査区全景(A区2次面)                  調査区全景(B2次面)

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