2017/2/1 17:42「信濃国の城と城下町」展関連講座
1月28日(土)、長野県立歴史館で行われた講座に参加してきました!この講座は歴史館の冬季展「信濃国の城と城下町」の関連イベントです。県内の江戸遺跡研究の第一人者である竹内靖長氏と一緒に城と城下町についてお話しさせていただきました。
いざ!!松本VS松代。講座ではそれぞれの特徴を比較しました。例えば松本城は三の丸の中に藩士たちの屋敷がありましたが、松代では藩士たちは城のまわりに住み、町人の住まいとも接して城下町を形成していました。特に違うのは出土する陶磁器や土器についてです。松本では焼塩壺という、江戸時代の高級食卓塩の容器が出ていますが、松代では今のところ出土していません。通常は城や上級藩士の屋敷などで出土するのですが、松代藩の不思議の一つです。また陶磁器は松本より南の中南信地方では、愛知や岐阜県の瀬戸や美濃の焼物が多く出土します。しかし松代やそのほかの北信地方では、九州地方の焼物である唐津焼と伊万里焼が多い傾向があります。この違いはどこから生まれるのか、ということがテーマの一つです。
それはそれぞれの地理的な位置が大きく関わっています。中南信は瀬戸や美濃にも近く、馬を使った輸送ルートが発達していました。北信は日本海に非常に近く、日本海を行き来する北前船の運ぶ物資を手に入れやすかったのです。上越の商人たちにとっても北信は「お得意さま」であったようで、陶磁器だけでなく、塩や干し魚もほとんどが北信へと送られていました。
歴史館の冬季展「信濃国の城と城下町―発掘調査が謎を解く―」は2月26日(日)まで開催中です(休館日あり)。広い信濃だからこそ、藩ごとに色々ちがいます。展示で体感していただければと思います。
竹内氏による松本城と松本城下町跡のお話の様子
松代城と松代城下町についてお話しする様子
松代城下町跡から出土した陶磁器。町家では大量生産品が多い。
松代城下町には日本海から唐津焼・伊万里焼が入って
きます。瀬戸美濃焼は松本から入ってくるようです。
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