学芸員のちょこっと一言 ながの文化財ブログ

令和5年11月10日(金曜)、長野市立東条小学校3学年からのご依頼により、東条屋地遺跡周辺の泉など「東条の宝物」を見て歩く校外学習に講師派遣を行いました。


東条の7泉が所在する同地籍は、豊かな水とホタルの里として知られ、東条小学校は校内にホタル養殖水路を整備し、長年、子ども達が地域のみなさんと一緒に保護活動を行っています。校外学習では、3年生のみなさんが、皆神山を水源とする屋地地籍の古藻井の泉、松井の泉を訪ね,きれいで豊富な湧水を体感し、この水が昔から水田や生活用水として利用されてきたことを確認しました。


また、湧水周辺の屋地・皆神台一帯は屋地遺跡として周知されていますが、長野市埋蔵文化財センターでも発掘調査を実施し、弥生時代から平安時代に至る集落跡がみつかっています。講師の紹介で、松井の泉周辺が大昔から人々が生活しやすい土地であったことを知り、豊かな湧水に東条の宝物を感じた子ども達でした。


▼松井の泉で説明を受ける子ども達

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長野市教育委員会は11月8日(水曜)、これまで直径32mの円墳と考えられていた篠ノ井塩崎の将軍山古墳が全長約80mの前方後円墳と判明したことを発表しました。前方後円墳を「発見」したのは、市内在住の男性と上田市在住の男性のお二人です。国土地理院が公開するインターネット地図「陰影起伏図」で鍵穴形の地形を見つけたお二人から2021年10月と2022年10月にそれぞれご連絡を頂き、長野市埋蔵文化財センターがその後調査を進めて前方後円墳と確認しました。


長野盆地南域の山上には、県内第1位の大きさがある森将軍塚古墳(千曲市、全長99m)をはじめとする7基の前方後円墳が千曲川をはさんで対峙しています。ここに新たに加わった将軍山古墳は、同3位の倉科将軍塚古墳(千曲市、全長82m)に匹敵する大きさがあり、かなりの有力者の墓と考えられます。

 

未調査の古墳であるため詳しいことはわかりませんが、長野盆地の歴史を考えるうえでとても重要な発見であり、今後の研究に期待がもたれます。

 

【古墳の見学を希望される方へお願い】
・古墳がある場所は大部分が民有地です。道や古墳以外には立ち入らないようにしてください。
・木の伐採、土の掘削、ゴミのポイ捨て、火気の使用はお控えください。

 

▼陰影起伏図で見る将軍山古墳

 

▼千曲川堤防から見る将軍山古墳

 

▼後円部から見た前方部

 

▼長野盆地南域の前方後円墳

 

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