学芸員のちょこっと一言 ながの文化財ブログ

 

長野市埋蔵文化財センターでは、市立長野高校で開講されている地歴選択授業「考古学入門」のお手伝いをしています。

 

専門的な研究分野で、実際に発掘調査に参加することによって、歴史に対する生徒の興味を高め、進路選択のきっかけ作りとするもので、今年は8月18・19日の2日間、2名の受講生徒さんが、徳間中南・番場遺跡で発掘調査に参加されました。

 

徳間中南・番場遺跡は、大規模な宅地造成工事に伴い今年の5月27日から発掘調査が実施されており、現在までの調査で、弥生時代の住居跡・溝跡・土坑、奈良時代の土坑、室町~戦国時代の井戸跡が発見されています。

 

実は当初、17日からの3日間の予定でしたが、初日は降雨で作業が中止となってしまいました。翌日は調査区に溜まった雨水の排水作業から始まりましたので、泥水まみれになりながらも受講生徒さんたちは一生懸命に取り組みました。

その後、遺構の検出作業や土質の見分け方、土坑の掘り下げ等を行い、土器などの遺物が出土した瞬間の感動を味わっていただきました。最終日には出土した土器片の洗浄作業も行い、文様が消えないように丁寧にブラシで洗いました。

 

考古学の基本は発掘調査です。暑い日の炎天下や雨の日の作業など苦労が多くて大変ですが、地道な作業の積み重ねが歴史的な大発見につながることもあります。

 

今回参加された2名の受講生徒さんたちにとって、良い経験になってくれたらうれしいです。

 

 

 

▼遺構の検出作業

 

発掘体験 遺構の検出作業

 

 

▼土坑の掘り下げ

 

発掘体験 土坑の掘り下げ

 

 

▼土器片の洗浄

 

発掘体験 土器洗い

 

▼弥生時代の溝跡

 

弥生時代の溝跡

 

▼奈良時代の土坑

 

奈良時代の土坑

 

▼室町~戦国時代の井戸跡

 

室町~戦国時代の井戸跡

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櫻ヶ岡中学校2年生2名の生徒さん達が、8月26・27日の2日間職場体験に訪れました。
職場体験では埋蔵文化財センターが行っている業務内容のうち「発掘作業」を
体験していただきました。

 

発掘作業は実際に発掘調査をしている三才田子遺跡で、発掘作業を体験していただきました。
初めての発掘作業を2人とも楽しんでくれていたようでした。


2日間の日程で行った職場体験ですが、少しでも将来の仕事について考えるきっかけになれば幸いです。


今回発掘作業を体験していただいた三才田子遺跡は北部スポーツレクリエーションパークのすぐ近くにあり、道路改良事業に伴い7月14日から発掘調査を実施しています。
今までの調査で弥生時代中期から平安時代にかけての住居跡を中心とした遺構が見つかっています。住居跡は時期の異なるものが重なっており、長い間多くの住居が造られていたようです。遺物は、土器のほかに黒曜石の破片と石鏃が出土しています。

発掘調査は、もう少しのあいだ続きます。

 

 

▼職場体験(発掘作業)の様子

発掘作業の様子

 

発掘作業の様子

 

▼発掘調査中

発掘調査 作業風景

 

▼弥生時代中期の住居と土器

弥生時代中期の住居と土器

 

▼弥生時代から平安時代の住居

弥生時代から平安時代の住居

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文化財めぐり 「塚本のビャクシン」

県指定天然記念物(昭和48年指定)
所在地/若穂川田

 

ビャクシンはヒノキ科の常緑樹で、滋賀県の伊吹山に生えていたことから「イブキ」とも呼ばれています。

本州や四国、九州に自生し、岩の上や石灰岩の上にも生育するため、本州では、特に太平洋岸と瀬戸内地方の海岸近くに多く見られます。内陸では、庭園や社寺に多く植えられていますが、園芸品種のものは盆栽として鑑賞されています。樹齢が長く、高木になるものもあります。

塚本地区にあるこのビャクシンは、樹高約25メートル、幹回り約4.5メートルの巨木で、樹勢もよく、樹姿に優れています。

 

県内では、飯田市にあるビャクシン「川路のネズミサシ」も、県の天然記念物に指定されています。

 

※ 文化財めぐりは『広報ながの』にも毎号掲載されています。

塚本のビャクシン
塚本のビャクシン

【文化財めぐりをされる方へ】
・個人の方の敷地内にありますので、敷地内に入る場合にはお声をかけた上でご見学ください。

 

文化財の位置やより詳しい情報はコチラをご覧ください。 >>> 詳細ページ

お問い合わせ  長野市教育委員会文化財課 TEL 026-224-7013

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次回の企画展示!
「のりもの展~進化するのりものの形~」
「ふしぎな松代群発地震~発光現象と温泉の湧き出し~」


「のりもの展~進化するのりものの形~」

 
期間   
7月18日()~8月30日(
 
 
会場   博物館特別展示室
 
 
入館料  一般300円、高校生150円、
      小・中学生100円(土曜日は小中学生無料)
      常設展示室と共通
 
 
チラシのダウンロードはこちら(1.63MB)

 
  
<概要>
 世の中にあふれるのりものについて注目します。場所、時代、状況に応じてのりものは進化しています。このようなのりものの多様性とそこに使われている科学技術、さらに形・デザインにスポットを当てます。
 
 
 
「ふしぎな松代群発地震~発光現象と温泉の湧き出し~」
 
 
<概要>
 平成27年、松代群発地震のはじまりから50年の節目を迎えました。この地震は昭和40年から3年あまりも続いた珍しいタイプの地震でした。さらに、温泉の湧き出しや世界初の発光現象の撮影などもあり、注目を集めました。今回の展示では、松代群発地震の特徴を振り返って、この50年で地震や防災に対する理解がいかに深まったかを紹介します。

 
 

関連イベント

 
ミュージアムショップ(友の会主催) 10:00~16:00
 7月19日(日)、20日(月・祝)、25日(土)、26日(日)
 8月1日(土)、2日(日)、8日(土)、9日(日)、
   13日(木)、14日(金)、15日(土)、16日(日)、
   22日(土)、23日(日)、29日(土)、30日(日)
 9月20日(日)、21日(月)、22日(火)、23日(水)


ながはくPresents手仕事のじかん
  7月12日(日)13:00~15:00  博物館サコッシュ(バッグ)づくり
 7月24日(金)  9:30~11:30  プラ板でのりものネームプレート
 7月29日(水)  9:30~11:30  プラ板でのりものネームプレート
 8月5日  (水)  9:30~11:30  プラ板でのりものネームプレート
 8月30日(日)13:00~15:00  蜜蝋キャンドル

 
○子ども☆体験のひろば 13:00~15:00
 7月18日(土) ポンポン船をつくろう
 7月26日(日) みんなでまちをつくろう
 8月1日(土) みんなでまちをつくろう
 8月15日(土) たのしいゴム動力船
 
 
○ほんものゼミナール 14:00~15:30
 7月19日(日) 信州と航空宇宙のつながり 斉藤秀樹 (当館専門員)
 8月16日(日) 松代群発地震について 畠山幸司 (当館学芸員) 
  
  
消防車がやってくる!
 8月2日(日) 13:30~15:30 博物館前庭
  ※時間帯が変わる場合があります。
 
 
 
松代地震観測所見学会
 8月22日(土) 10:00~/14:00~ 
 参加費/無料
 定員/各25名
(予約優先 TEL 026-284-9011)

他のイベントは決まり次第随時掲載します。

お問合せは、長野市立博物館(Tel 026-284-9011)まで
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今回、職場研修の一環として長野県埋蔵文化財センターにお邪魔させていただきました。
 
センター内を見学しながら、担当職員の方から作業の詳しい説明をしていただきました。
普段自分達が行っている、遺物の実測作業や遺物の洗浄・接合作業を
県埋文センターではどのように作業しているのか、どんな点を工夫しているのか等、参考になることが多くとても勉強になりました。
 
 
今回の研修で学んだことを生かせるよう職員一人一人より一層努力していきたいと思います。
研修でお世話になりました県埋文センター職員の皆様ありがとうございました。
 
 
 
【職場研修の様子】

 

 

 

 

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文化財めぐり 「泉平伊勢社の大ケヤキ」

市指定天然記念物(平成17年指定)
所在地/豊野


ケヤキはニレ科の落葉樹で、大木となり、日本各地で天然記念物に指定されています。木目が美しく、堅くて摩耗に強い特性があるため、古くから家具材や日本家屋の建築材として用いられてきました。

泉平地区の伊勢社境内に立つこのケヤキの木は、樹高約20メートル、幹回り約6.5メートル、樹齢350年と推定されます。大枝は横に伸び、高さの割に横幅が広い、独特の樹形をしています。根元近くの幹から大枝の付け根にかけて、一部には空洞が見えます。

大ケヤキの根元には、石の祠が祭られ、地元で大切に守られてきたことがうかがえます。

 

※ 文化財めぐりは『広報ながの』にも毎号掲載されています。

【文化財めぐりをされる方へ】
・ご見学の際にはハチなどに十分に注意してください。


泉平伊勢社の大ケヤキ

文化財の位置やより詳しい情報はコチラをご覧ください。 >>> 詳細ページ

お問い合わせ  長野市教育委員会文化財課 TEL 026-224-7013
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 宅地造成工事に伴い5月11日から始まりました、中越遺跡(長野市中越2丁目)の発掘調査が大詰めを迎えています。

  

 

▼ 中越遺跡発掘調査のようす

 

 

 弥生時代後期から平安時代にかけての集落遺跡で、竪穴住居跡3軒(弥生後期1、古墳後期2)のほか、土坑2基、溝跡や畝状遺構、自然地形の落ち込み等を確認しました。

 

 特に自然地形の落ち込みに堆積した弥生時代後期の遺物包含層からは大量の箱清水式土器、いわゆる「赤い土器」が出土しました。

 また、古墳時代後期の竪穴住居跡からは、甕と甑(こしき)と高杯、そして石皿がまとまって出土しました。

 

 

▼ 甕と甑と高杯と石皿

 

 

 6月17日には、ラジコンヘリコプターを使用して上空から写真撮影を行いました。ラジコンヘリにはカメラの他にビデオカメラも搭載されており、上空からの映像をその場で確認しながら無線でシャッターを押しました。

 

 発掘現場は閑静な住宅地であり、近くには今春開業したばかりの北陸新幹線も通っていることから、ラジコンヘリの運行には細心の注意が必要になります。測量業者を通じてベテランの専門家に操縦をお願いし、安全に撮影を行うことができました。

 

 

▼ラジコンヘリの準備

 

▼ テイクオフ

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舞鶴山中腹の白鳥神社に登ってみよう!


日 時: 7月4日(土)9:30~12:00
 
集 合: 青垣公園(長野市松代町西条)
 
対 象: 小学生以上
 
参加費: 200円(資料代・保険料別途)
 
申 込: 必要 
      7月1日(水)までに電話で真田宝物館(278-2801)へ
      先着20人
 
その他: 雨天の場合は中止します


 
お問合せは真田宝物館(TEL 026-278-2801)まで。


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企画展示「真田家の祈り―白鳥神社と開善寺―」

2015年6月27日(土)~2015年9月7日(月)
 
真田家の守護神を祀る白鳥神社と、祈願寺である開善寺の至宝をご紹介します。
 

●ギャラリートーク
 時間:6月27日(土)・7月1日(水)
     いずれも10時から  
 場所:真田宝物館 第4展示室
 
●体験コーナー
 
「スタンプを押してしおりをつくろう!」
 家紋や紋章スタンプを押して、オリジナルの
 しおりをつくってみよう。
 場所:真田宝物館 第4展示室

「色々威胴丸具足」白鳥神社蔵
「色々威胴丸具足」白鳥神社蔵

 
 
※ギャラリートーク・体験コーナーいずれも無料ですが、真田宝物館の入館料がかかります。

 

お問合せは真田宝物館(TEL 026-278-2801)まで。


     

 

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4月3日から発掘調査を行っていた桐原要害(高野氏館跡)の調査が6月2日に終わりました。中世の井戸や柱穴が見つかり、カワラケ(土器の小皿)や山茶碗・輸入された青磁碗などが出土しました。このほか古墳時代前半にお墓に供えられたと考えられる土器やガラス小玉なども出土しています。また古墳時代後半と平安時代の竪穴住居跡も見つかりました。近隣の発掘調査でも同時期の住居が多く見られるため、桐原一帯に集落が広がっていたと思われます。

 

発掘調査の様子

   

 

▲土器をクリーニング中
いい写真が撮れるといいですね!
▲青いガラス小玉が出土した土坑
   
▲平安時代の竪穴住居のカマド
土器がたくさんあって掘るのは大変です。
 ▲平安時代の竪穴住居跡

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